スギバークの早期堆肥化とハウスナスヘの利用

[要約]
 
6㎝以下に裁断したスギバーク乾物1t当たりに鶏フン400㎏を添加し、水分を65%前後に調整後、堆積約2週間から計6回程度の切り返しを行い、6ヶ月堆積することにより、良質のスギパーク堆肥が製造できる。この堆肥をハウスナスに利用すると広葉樹バーク堆肥と同程度の収量となる。
高知県農業技術センター・生産環境部・土壌肥料科
[連絡先]0888-63-4915
[部会名]傾斜地,野菜・花き・茶(野菜)
[専門]土壌
[対象]
[分類]普及

[背景・ねらい]

バーク堆肥は稲わらに替わる有機質資材として本県でもかなり定着してきた。しかし、その主原料出である広葉樹バークの不足傾向は、今後一層進むものと推測され、土づくりのための有機質資材の不足が懸念される。
一方、製材所等から多量に排出されるスギバークは、難分解性で堆肥化に長期間を要するため、ほとんどが焼却処分されている。そこで、スギバークの早期堆肥化法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 原料となるスギバークの特徴
    広葉樹バークに比べてC/N比は高く(広葉樹バーク82、スギバーク31)、作物に対する生育阻害作用がない(表1)。
  2. 堆肥化方法
    スギバーク6㎝以下の大きさに裁断する。スギバーク乾物1t当たりに窒素源として鶏フン400㎏を添加し、水分を65%前後に調整して堆積発酵させる。スギバークに容量比で30~50%の広葉樹バークを混合して堆肥化する場合も窒素源および水分管理は同様とする。品温は堆積直後から急激に上昇する。品温の下降を確認した時点で切り返しを行う。その後も品温の下降毎に切り返しを行う。顕著な品温の上昇が見られなくなってからも1ヶ月に1回程度切り返しを行い、後熟させる(図1)。
  3. 使用までの堆積期間
    スギバーク単独で堆肥化する場合は6ヶ月堆積する。スギバークに広葉樹バークを混合して堆肥化する場合は初期の中~高温域がやや長いため7ヶ月堆積する。(図1)。
  4. 堆肥化物の特徴と施用量
    鶏フンを添加しているため、窒素とリン含有量か比較的高い(表2)。
    施用量はハウスナスで10a当たり3~6tとする(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 焼却されていたスギバーク付加価値をつけ、また不足する広葉樹バーク堆肥の代替資材として農地の地力維持に寄与できる。
  2. スギバークは粗孔隙が大きく保水性か悪いので、やや固めに圧密堆積する。切り返し時に乾燥していれば水分を補給する。
  3. 堆肥のリン含有量か高いため、この点を考慮した合理的施把を行う。
  4. その他のハウス野菜にも適用可能である。

 [その他]
 
研究課題名:未利用有機物資源の早期堆肥化
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(平成3年~7年)
研究担当者:岡林美恵、井澤久美、田内俊一、阪田美佳、佐田哲幸、吉永憲正
発表論文等:スギバーグの早期堆肥化、高知県の農林業新技術16号掲載予定
 
目次へ戻る