カーネーション萎縮叢生症の原因と予防法

[要約]
 
カーネーション萎縮叢生症は夏期高温土壌水分過剰の二重環境ストレスによって引き起こされる。この両ストレスを低減することにより、本症状の発生を回避することができる。
四国農業試験場・作物開発部・病虫書研究室
[連絡先]0877-62-0800
[部会名]生産環境、野菜・花き・茶(花き)
[専門]作物病害
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]

1970年代後半よりカーネーションが萎縮し叢生状態になる障害が発生して、大きな問題となっていた。原因としてはウイロイド、バクテリア、強日射、土壌水分過多、微生物活性堆肥の施用、硝酸態窒素の過剰施用、ホウ素の過剰等が推定された。しかし、いずれも他の研究者による追試験での確認がされておらず、原因不明のままになっていた。そこで、この障害の原因を明らかにし、予防法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. カーネーション萎縮叢生症状は高温下多灌水条件で栽培すると発生し、適温下普通灌水で栽培すれば発生しない。よって、本症状の主原因は高温と土壌水分過剰の二重環境ストレスである。ウイルス感染株では高温のみまたは土壌水分過剰のみでも発症することがある(表1)。
  2. 摘心したカーネーションでは発症するのに対し、摘心後接ぎ木したカーネーションでは高温,多灌水条件で栽培しても採花するまで発症しない。また、発症のピークは高温・多灌水を6月中旬に始めてから3~7週間と10~12週間後にあり(図1)、後者は発蕾から開花始めの時期に当たる。よって,発症には摘心と栄養成長から生殖成長への変化が引き金となっていると考えられる。
  3. 以上のことから、萎縮妻生症状はつぎのことを実行すれば発生を予防できる。
    ①寒冷紗を掛けたり、通風をよくするなど温度を低くする。
    ②灌水を適切に行い、水はけをよくし、施設の雨漏りを防ぐ等、土壌が過湿にならないようにする。
    ③上記ストレスが回避できない土地では6~8月に摘心または花芽形成する作型を行わない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 摘心を行う他の花き類で病原不明の萎縮護生症が発生しているが、本成果が病因究明の参考になる。
  2. ウイルスフリー株を用いればなおよい。

 [その他]
 
研究課題名:花き類に発生するウイルスの種類と性状
予算区分:経常・場内プロ
研究期間:平成8年度(平成6~8年)
研究担当者:小金澤碩城・笹谷孝英・富岡啓介・佐藤豊三・森充隆(香川農試)
発表論文等:平成9年度日本植物病理学会で発表予定
 
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