TASーELISAによるインゲンマメ黄斑モザイクウイルスとクローバ葉脈黄化ウイルスの特異的検出法

[要約]
 
マメ科作物やアヤメ科花き類で発生して問題となっているインゲンマメ黄斑モザイクウイルスクローバ葉脈黄化ウイルスは、それらに対するモノクローナル抗体を用いたTAS-ELISAで特異的に診断・検出できる。
四国農業試験場・作物開発部・病虫害研究室
[連絡先]0877-62-0800
[部会名]生産環境
[専門]作物病害
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]

インゲンマメ黄斑モザイクウイルス(BYMV)とクローバ葉脈黄化ウイルス(CIYVV)はソラマメやエンドウなどのマメ科作物やグラジオラスやフリージアなどのアヤメ科の花き類で発生して全国的に問題となっている。両ウイルスともPotyvirusのBYMVーsubgroupに属するウイルスで性状が大変よく似ているので、従来のポリクローナル抗体を用いたELISAでは両ウイルスを特異的に検出することは困難であった。そこでBYMVあるいはCIYVVに対するモノクローナル抗体を作製し、それぞれを特異的に検出できるELISAを開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. BYMVの1分離株(BYMV-90-2)とCIYVVの2分離株(CIYVV-90-1とCIYVV-92-3)に対するポリクローナル抗体を作製した。このポリクローナル抗体を用いたELISAではBYMVあるいはCIYVVを特異的に検出することはできない。
  2. BYMV-90-2には8クローン(3F11、2B4、2C4、2C5、1F3、3F9、4G8、4H9)、CIYVV-90-1には5クローン(1C8、1A2、2H8、3G9、5F2)、CIYVV-92-3(3H8、2D6、6F8)には3クローンのモノクローナル抗体を作製した。
  3. TAS-ELISAにより、4G8と4H9の2種のモノクローナル抗体を混ぜたものはBYMVのみを特異的に、1C8と2D6の2種のモノクローナル抗体を混ぜたものはCIYVVのみを特異的に、モノクローナル抗体5F2はBYMVとCIYVVの両方を検出できる()。なお、これらのモノクローナル抗体は他 Potyvirusであるエンドウ種子伝染モザイクウイルス、カボチャモザイクウイルス、ダイズモザイクウイルス、パパイヤ輪点ウイルス、ズッキーニ黄斑モザイクウイルスとば反応しない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 一般に性状が似ているため的確な診断が難しいBYMVとCIYVVを迅速に診断することが可能となり、発生生態の解明および防除技術開発に利用できる。
  2. 公的研究機関ヘモノクローナル抗体(培養液)を提供できる。

 [その他]
 
研究課題名:マメ科作物ウイルスの発生分布とその特性の解明
予算区分:経常
研究期間:平成8年皮(平成4~9年)
研究担当者:笹谷孝英・佐藤豊三・小金澤硯城
発表論文等:①四国植防32:(講演要旨)②日植病報(投稿予定)
 
目次へ戻る