播種前の稲わら処理による裸麦の出芽・苗立向上
[要約]
水稲収穫後すぐに
浅耕
して
稲わら
を鋤込む方法は、土壌の乾燥を促進し、
裸麦
の
出芽・苗立
の向上に効果がある。また、茎数、穂数も増加し、増収効果がある。
香川県農業試験場 作物、土壌肥料担当 [連絡先]0878-89-1121 [部会名]水田・畑作 [専門]栽培 [対象]麦類 [分類]普及
[背景・ねらい]
湿害は麦の作柄不良の要因の一つであるが、特に播種時の土壌水分の過多による出芽・苗立の不安定性が問題となっている。その原因として、水稲収穫後の稲わらが麦播種時まで土壌表面を覆って土壌の乾燥を阻害していることがあげられる。そこで、稲わらを圃場外へ持ち出さないことを前提に稲わら処理を行い、土壌の乾燥程度と裸麦の出芽・苗立及び生育収量について検討した。
[成果の内容・特徴]
降雨後の土壌水分(pF)の推移は、稲わら除去処理が最もpF値が高く土壌の乾燥が早く、次いで事前浅耕処理、稲わら放置処理の順に早く土壌が乾燥する(
表1
、
図1
)。
麦播種時の土壌含水率は、稲わら除去処理が最も低く、次いで事前浅耕処理、稲わら放置処理の順に低い(
表2
)。
苗立数は、稲わら放置処理に比べて、稲わら除去処理が5割、事前浅耕処理が3割程度多くなり、苗立が向上する(
表2
)。
稲わら放置処理に比べて、事前浅耕処理、稲わら除去処理とも茎数、穂数が多く確保され、収量はやや多い(
表3
)。
[成果の活用面・留意点]
麦播種直前に降雨があった場合、耕起深が深いと水分を保持し過湿となるおそれがあるので、できるだけ浅耕とし、水稲収獲後すぐに行う。
排水溝の設置等による積極的な排水対策もあわせて行う。
事前浅耕処理は、播種前7日間の降水量が多いと効果が低くなるので、麦播種の際は週間天気予報をみて、播種適期の範囲内で降雨の前に播種する(表2)。
本技術は水はけの良い砂質土壌条件に適用する。排水性の悪い土壌等での効果については確認が必要である。
[その他]
研究課題名:
麦類高品質安定栽培技術
予算区分:県単
研究期間:平成7年度(平成4~7年)
研究担当者:森芳史、平木孝典、西村恵、藤田究
発表論文等:なし
目次へ戻る