防寒布を用いた日本ナシ「幸水」の熟期促進

[要約]
 
防寒布を簡易な支持架を利用して被覆することにより、日本ナシ「幸水」開花期ならびに熟期を約10日促進することができる。ジベレリンペースト処理を併用すれば旧盆前に全量出荷可能である。
徳島県果樹試験場県北分場
[連絡先]0886-94-2712
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

西南暖地に位置する徳島県の「幸水」産地は需要の多い旧盆前に出荷し、有利販売を行っている。しかし、開花時期が遅れたり生育期間中低温で推移すると、熟期が遅れ盆前出荷が難しくなる。短期の熟期促進法としてジベレリンペースト処理が実用化されてはいるが、さらに安定した盆前出荷を行うため、防寒布(商品名タフベル)を利用した簡易な被覆による熟期促進法を試みた。

[成果の内容・特徴]
  1. 3月1日(平年の満開日の45日前)から5月7日まで防寒布でナシ園を被覆すると、満開日は4月10日となり、露地の4月21日に比べて約10日促進される(表1)。
  2. 防寒布被覆内の棚面の気温は外気温に比べて昼間の気温が4℃程度上昇する(図1)。
  3. 防寒布被覆に加えてジベレリンペースト(GA)を処理(1果あたり約50㎎を果こうに塗布)することにより収穫盛期は適熟果収穫で8月5日となる。これは、露地でジベレリンペースト処理した区より約10日、通常の露地栽培より約15日早く、旧盆前までに全量出荷が可能となる(表2図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 防鳥ネットや防虫ネットの支持架など筒易な施設を利用して被覆することができる。
  2. 温度管理の労力を必要としない。
  3. 防寒布被覆のみでも熟期促進効果は高いが、ジベレリンペースト処理を併用するとさらに熟期が早まる。
  4. 簡易な支持架で被覆する場合は防風林などの防風対策を十分に行う。また、積雪の恐れのない地域での利用がのぞましい。

 [その他]
 
研究課題名:防寒布被覆によるニホンナシ「幸水」の熟期促進
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(単年度)
研究担当者:小池明
発表論文等:なし
 
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