ハウスミカンの果実成熟期の地中冷却処理による樹体温度低下と樹勢強化

[要約]
 
ハウスミカンの成熟期の地中冷却処理(地温10℃)により、樹冠内部の葉及び果実温が低下する。また、収穫後に発生する新梢は長く、葉も大きい。さらに細根量も増加する。
香川県農業試験場府中分場・栽培担当
[連絡先]0877-48-0371
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]研究

[背景・ねらい]

現在、ハウスミカンでは収量の低下、樹勢の低下等が大きな問題となっている。これらの原因として、高糖果生産のための土壌乾燥による細根の枯死等が考えられている。そこで、ハウスミカンにおいて収穫前に地中冷却処理を行い、それらが樹体、果実に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. ハウス栽培の「興津早生」について、5月中旬から6月下旬の収穫日まで間、地温を10℃に下げることにより、晴天日の樹体放射温度が低下する。特に、主幹部位の低下が著しい。曇天日の樹体の放射温度は、処理による差は見られない(表1)。
  2. 地中冷却すると収穫後の夏枝の発芽、新梢停止、展葉完了が1~2日早まる。なお、発生した夏枝は長く、葉面積も大きい(表2)。
  3. 根量は、深さ0~20㎝の範囲では大きな差は無いが、20~40㎝の範囲では地中冷却により細根の発生が多い(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 果実肥大及び果汁成分には差が見られないので、通常の栽培管理を行う。
  2. 果実の着色が促進されることから、梅雨明け後が収穫期となる作型のハウスに有効である。
  3. 既存ハウスではパイプの設置が困難となるため新植時の設置が望ましい。
  4. 施設費及び運転費がかさむため、経営試算の検討が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:果樹高度生産システムの開発
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(平成4年~9年)
研究担当者:大谷衛、坂下亨、森末文徳
 
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