ももの極早期出荷作型
[要約]
樹体を10月上旬から
ヒートポンプ
により
強制冷却
、早期に
休眠を打破
し12月
加温
することで
収穫期
が一般ハウスより約1カ月促進される。
愛媛県立果樹試験場鬼北分場 [連絡先]0895-45-0204 [部会名]果樹 [専門]栽培 [対象]果樹類 [分類]普及
[背景・ねらい]
ハウスももの価格は出荷時期によって左右され、5月上旬と下旬では約2,000円/㎏以上の差がある。ハウス栽培は一般的には、休眠が覚醒する(7.2℃以下の低温遭遇が1,000時間)1月下旬~2月上旬に加温を開始し、5月中~下旬に収穫される。しかし近年、温暖化により休眠覚醒時期が遅延、収穫時期が遅れる傾向にある。そこでより早期に加温し、早く収穫可能な作型について検討した。
[成果の内容・特徴]
「やまなし白鳳」の成木地上部を10月上・中旬から、5~6℃下で約1,000時間低温処理した後、一般のハウス栽培に準じて加温を行うと開花期で33~49日、収穫期では22~37日早くなる(
表1
、
図1
)。
ヒートポンプによる冷却処理を行ったハウスの平均収量は、同一ハウスで一般管理を行った場合と同程度である(
表1
)。
冷却ハウス栽培では、一般型及び露地よりも果実の糖度がやや低く、果形指数はやや高くなる。渋味の強さを示す高分子フェノール化合物含量は露地よりやや高い(
表2
)。
冷却ハウス栽培では一般型に比べて、発芽しない葉芽、開花しない花芽が多くなる(
表3
、
4
)。
[成果の活用面・留意点]
秋季に樹体を強制冷却し、休眠を早期に打破することで12月加温が可能であり、従来のハウス栽培よりも収穫期が早くなる。しかし、早期加温は時期的に日照時間がかなり短くなるため、成熟期間が長くなったり、若干の品質の低下も見られる。このため補光やCO
2
施用などの補助的な管理方法についても検討する必要がある。また、果頂部の突出程度の強い奇形果は、開花~幼果期のハウス内最高気温が高いと発生しやすいので、温度管理には、細心の注意が必要である。
[その他]
研究課題名:
ハウスモモ生産性向上技術開発試験
予算区分:県単
研究期間:平成5年度~9年度
研究担当者:清水康雄、二宮敬和、松尾勇作
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