早期収穫したユズ果実の低温貯蔵中におけるこはん症の軽減法

[要約]
 
ユズ果実の低温貯蔵において、高温予措した果実を貯蔵中に変温処理(5℃で2~3ヶ月程度貯蔵し、その後3℃に貯蔵)することにより、早期採取(10月下旬、3分着色程度)果実のこはん症が軽減される。
高知県農業技街センター果樹試験場・常縁果樹科
[連絡先]0888-44-1120
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

ユズ果実の長期貯蔵では、水腐れ症とこはん症の2つの生理障害が問題であり、これらは果実の収穫時期(熟度)及び貯蔵温度によって発生程度が異なる。すでに、水腐れ症は、低温貯蔵前に高温予措処理(30℃、72時間)をすれば、顕著に抑制できることを明らかにした。 しかし、早期(10月下旬、3分着色程度)に収穫した果実を低温貯蔵した場合には、こはん症の発生が多くなるため、その軽減方法が望まれていた。

[成果の内容・特徴]
  1. 早期(10月下旬、3分着色程度)に収穫した果実を高温予措処理後、5℃で2~3ヶ月低温貯蔵し、その後3℃に変温して貯蔵すれば、こはん症の発生が軽減できる(図1)。
  2. こはん症は、5℃よりも3℃の貯蔵条件で早くから、より多く発生することから、低温障害と考えられる(図1)。一方、貯蔵後期になって発生する水腐れ症は、5℃で貯蔵する期間が長くなるほど多くなる(図2)。したがって、貯蔵期間の前半をやや高めの5℃で貯蔵し、後半になって3℃と低めに変温管理すれば、全体的に障害果の発生を抑えることができる。
  3. ユズ貯蔵果の果皮色は、貯蔵期間が長く、また貯蔵温度が高いほど黄色から橙色に変化し(図3)、市場評価が低下する。変温処理は果皮色の変化を抑えることが期待できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 適用地域はユズ栽培地帯
  2. ユズ貯蔵果の商品性は果皮にあるため、貯蔵期間中の温度は85%を目標に、果皮が萎凋しないように管理する。
  3. 早期収穫果のこはん症が軽減されることにより、収穫期間中の労力分散、長期貯蔵果の増加、収穫後期における霜による障害の防止となる。

 [その他]
 
研究課題名:ユズの高温予措による長期貯蔵技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成3年~平成7年
研究担当者:田中満稔、谷岡英明、五百蔵茂、真鍋糺、音木俊和
 
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