日本ナシ‘新高’の短期貯蔵技術

[要約]
 
貯蔵用の果実は、1週間程度の早取りから通常収穫までの果実とし、減量歩合3%(7日程度)の自然予措を行った後に、炭酸ガス吸着剤を入れたポリエチレンフィルムに5~7果を入れて密封し、2~3℃の温度で貯蔵すると果皮黒変果の発生もなく約3ヶ月程度の貯蔵が可能である。
高知県農業技術センター果樹試験場・落葉果樹科
[連絡先]0888-44-1120
[部会名]果樹
[専門]貯蔵
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

近年ナシ‘新高’は、九州地方を中心に栽培面積が増加し出荷量も多く、早期から出回るようになってきている。そこで、産地維持の対応策の一つとして、贈答需要期等を狙った出荷時期の拡大や、出荷・調整にかかる労働の分散による経営規模の拡大等をねらいとして、3ヶ月程度の短期貯蔵技術の確立が望まれていた。しかし、貯蔵果実は、貯蔵中の生理障害果(果皮黒変果:果肉は健全だが、果皮のみ黒くなり商品価値を損なう)の発生や果実の鮮度低下が問題とされていた。

[成果の内容・特徴]
  1. 収穫時期が遅れると、貯蔵中に果肉硬度等品質が劣り、果皮黒変果の発生も多くなる。(表1
  2. 貯蔵温度10℃では、果肉硬度や糖度計示度の低下がみられ(表1)、低温ほど鮮度保持にはつながるが、果実凍結の危険性を考慮すると、貯蔵温度は2~3℃程度が好ましい。
  3. 炭酸ガス吸着剤を封入すれば、ポリ工チレンフィルムの厚さに関係なく(0.03~0.1㎜)、袋内の炭酸ガス濃度が低く抑えられ、果皮黒変果の発生は抑制される(表2)。
  4. 果実を収穫後に暗所で放置し、果実の重さを減量させる白然予措を行えば果皮黒変果の発生は抑制され、減量歩合3%(1週間程度)でその効果が最も高い(図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 3ヶ月軽度の貯蔵技術の確立により、出荷時期の拡大にともなう有利販売が図れ、また、出荷・調整にかかる労働の分散ができ経営規模拡大等が期待できる。
  2. 3ヶ月以上の貯蔵は、腐敗果や芯部褐変果等の貯蔵障害果が多く発生する。

 [その他]
 
研究課題名:新高ナシの貯蔵に関する研究
予算区分:県単
研究期間:平成3~7年度
研究担当者:西本年伸、田中誠介、木村和彦、浅川優子
 
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