カンキツ新品種「天草」の加温ハウス栽培による熟期促進効果

[要約]
 
「天草」をハウスで加温栽培すると、露地に比べ樹勢が優れ、熟期が早まり、果実品質が向上する。
愛媛県立果樹試験場・栽培育種室
[連絡先]09-977-2100
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

露地栽培の「天草」は年によって1月下旬頃まで酸含量が高く樹上越冬を要することがあり、寒害回避と熟期促進を目的とした加温ハウス栽培(加温期間、1月下旬~5月下旬、温度管理、夜温15℃、昼温25~30℃)について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 露地では7㎝前後の新梢が多いが、加温栽培すると15㎝前後の新梢が多く、葉の大きさは露地の約2倍となり、樹勢が優れる(表1)。
  2. 加温栽培した果実は露地栽培に比べ果形が球形に近く大果となり、果皮色がやや劣る。酸含量の減少は加温の開始時期が早いほど進み、1月下句加温開始の場合、12月中旬には糖度12以上、クエン酸1.0g/100以下となり収穫可能である(表2)。
  3. 果皮の着色は裸果で優れるが、退色防止には完全着色になる11月上旬頃に黒色不織布の果実被覆が有効である(表3)。
  4. 以上の結果、「天草」を加温栽培すると、露地に比べ樹勢が優れ、大果が多くなり、熟期が促進される。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「天草」は新しい品種のため栽培面積が少なく、しかも市場評価が未知数であるため導入にあたっては販路を確定しておく。さらに、既存ハウスで収益性の低い品種(温州みかん、マーコット等)の代替として導入する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:天草のハウス栽培作型の開発
予算区分:地域基幹農業技術実用化研究
研究期間:平成8年度(平成6~10年)
研究担当者:加美豊、井上久雄、藤原文孝、喜多景治
発表論文等:カンキツ新品種‘天草’のハウス栽培、園学雑第65巻、別冊2、1996。
 
目次へ戻る