ソラマメの新品種‘いよみどり一寸’
[要約]
愛媛県在来の
ソラマメ
‘清水一寸’について、系統間で交配を行い、早生で子実色の濃い
‘いよみどり一寸’
を育成した。‘いよみどり一寸’の主な特微は、開花・収穫の早い早生品種で、3粒莢割合が高く、子実は大粒性・おたふく形で、濃縁色をしている。県下平坦地をはじめ、西南暖地での秋播きの露地栽培に活用できる。
愛媛県農業試験場・作物育種室 [連絡先]089-993-2020 [部会名]野菜・花き・茶(野菜) [専門]育種 [対象]豆類 [分類]普及
[背景・ねらい]
愛媛県のソラマメは、全国的に規格が粒数別規格に統一されたことから、平成2年度より在来品種の‘清水一寸’から‘陵西一寸’に更新されている。しかし、収穫時期は2品種ともほぼ同じで、高値の時期に出荷できるように「少しでも早く穫れるソラマメ」が産地から望まれていた。
愛媛県農業試験場では昭和55年より『清水一寸ソラマメ優良品種の育成』を開始し、①早生性、②高3粒莢性、および③濃縁子実性を兼ね備えた品種の育成を行う。
[成果の内容・特徴]
昭和55年、‘清水一寸’からの分離固定系統を両親に交配を行い、慣行の露地栽培で特性調査・選抜を繰り返すことによって‘いよみどり一寸’を育成した。
草姿は開帳性で株開きが良く、生育は旺盛で分枝が良く伸張する(
表1
)。
花色は淡い赤紫色で、花弁の基部に発色する赤紫色の濃淡は‘陵西一寸’と同程度であるが、発色する範囲が広い(
表1
)。
開花始期および収穫期は共に早で、‘清水早生’や‘陵西一寸’より10日以上早い(
表1
)。
子実は‘陵西一寸’より一回り大きく、形はおたふくであり、鮮やかな濃緑色をしている(
表1
)。
総収量は‘陵西一寸’より低いが、L莢率は40%程度である(
表2
)。
[成果の活用面・留意点]
県下平坦地をはじめ、西南暖地での秋播きの露地栽培に活用できる。
栽培は、‘陵西一寸’に準じる。
開花が‘陵西一寸’より早く、寒害を受けやすいので、寒さの厳しい地域への適応性は低い。
品種登録を出願した。
[その他]
研究課題名:
特産野菜の優良品種の育成
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(昭和55年~平成8年)
研究担当者:戸井康雄、清水光男、才木康義、渡部修、篠原潔
発表論文等:日本育種学会四国談話会第61回講演会
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