揉みスライバー・紙製コーン利用による特産絹紡糸作出工程

[要約]
 
揉みスライバー紙製コーンに巻き取り、これを改良和紡機のプーリ部に固定、その回転で撚りをかけ特産絹紡糸を作出す方法を開発した。このことで改良和紡機を使い、改良和紡法とスライバー利用法の二つの方法による作出が可能となった。
徳島県蚕業技術センター・資源応用科
[連絡先]0883-24-2217
[部会名]部会名
[専門]加工利用
[対象]生糸
[分類]普及

[背景・ねらい]

前報(四国農業研究成果情報1995)では、揉みスライバーをため込んだケンス(筒状器)を回転させ撚りをかける紡糸方法について報告した。その結果、改良和紡法(ガラ紡を応用した方法)にあった糸切れ等の問題を克服し、均一性の高い特産絹紡糸が得られた。しかし、この方法ではケンスを回転させる紡糸装置が必要となり、新たな設備投資を加えることになる。
そこで、これまでの改良和紡法で使う改良和紡機を、揉みスライバーを利用する方法にも使用できれば、新たな設備投資を省け、二つの異なる方法による特産絹紡糸を効率的に作出することができる。

[成果の内容・特徴]
  1. 揉みスライバーの作り方は前報どおりとする(図1)。ただし、スライバーはケンスにため込むのでなく紙製コーン(高さ18㎝、底面内径4.5㎝)に巻き取る。
  2. コーンをそのまま回転させるとスライバーが大きく振れ、スライバーを構成する短繊維が擦れ合い絡みついてしまうため、針金(長さ5㎝)を立てたゴム栓をコーン上口部に差し込み、この針金にスライバーを3~4回巻き付けガイドさせることで回転による振れを防止する(図2)。
  3. コーンの底面内径は改良和紡機のプーリ直径と同じとし、コーンをプーリに差し込むだけで固定する(図3)。
  4. 改良和紡機から綿筒を外すだけで改良和紡法からスライバー利用法に移行できるため、簡便な操作で二種類の絹特産糸を作出することができる。
  5. 揉みスライバー利用法による特産絹紡糸は、改良和紡法のものより引張強さが大きいため、手織における縦糸に適している(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. コーンの回転数は、750rpmを上限とし、650rpm前後が適当である。
  2. 特産絹紡糸の染色分野については未完成のため、今後、この分野での研究を重点的に進めていく必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:絹特産糸作出技術
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(平成8年度~)
研究担当者:竹内秀人、岡本征二、三木健司
発表論文等:第62回日本蚕糸学会関西支部講演要旨集、1996
 
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