細繊度蚕品種「しんあけぼの」の3眠化による繭の高品質化

[要約]
 
細繊度蚕品種「しんあけぼの」の3齢初期に抗幼若ホルモン(AJH)を添食し、誘導した3眠化の繭は繭糸繊度が細く、生糸品質も優れる。
愛媛県農業試験場蚕業支場・研究指導室・育蚕品質班
[連絡先]0893-25-3039
[部会名]蚕糸
[専門]生理
[対象]蚕
[分類]指導

[背景・ねらい]

「しんあけぼの」は普通蚕品種に比べ繭糸繊度が細く、繭糸繊度偏差が小さいなどの「特徴ある品種」とされている。
一方で、高級志向の高まりから、こしの強い織物の原料となる極細で、強力などの優れた繭糸が望まれている。
抗幼若ホルモン(AJH)を添加した人工飼料を4眠蚕の3齢初期に添食すると、ほぼ全てが3眠化し、この3眠化蚕は強健であるため、飼育が容易で、繭糸質は細くなる特徴がある。
そこで、「しんあけぼの」と3眼化蚕の特徴を生かすため、人工飼料に添加したAJHを「しんあけぼの」に添食し、誘導した3眠蚕の繭糸質の特徴を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 飼料粉体1gに対し、抗幼若ホルモン(AJH)を0.48㎎加えて調製した人工飼料を「しんあけぼの」に3齢起蚕から48時間連続添食し誘導した3眼化蚕の繭糸はいずれの蚕期も対照区に比べ、繭糸繊度が細く、小節点も同等かそれ以上となる(表1)。
  2. 3眠化蚕の生糸は対照区に比べ、強力、エクスホリエーション等級点等が優れる(表2)。
  3. 3眼化蚕の繭重は軽く、繭は小形化し、整いはやや向上する(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 1~2齢期の発育経過かを揃えるため、眼期の取り扱いに注意する。
  2. AJH添食時期(3齢起蚕より48時間連続添食させる)を厳守する。

 [その他]
 
研究課題名:高級生糸用新蚕品種の育成試験
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(平成7~9年)
研究担当者:越智洋之・神徳興甫
発表論文等:日蚕関西講要、62、20、1996
 
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