スダチ果汁を利用した高付加価値製品の開発

[要約]
 
を用いたろ過・濃縮処理及び高圧処理により、スダチの清澄果汁清澄濃縮果汁及び酵母フリーの調整混濁果汁が得られる。これらの果汁を用いて、風味、外観、保存性の良い清涼飲料タレ及び菓子が製造できる。
徳島県立工業技街センター・応用生物課
[連絡先]0886-69-4711
[部会名]食品
[専門]加工利用
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

スダチは徳島県を代表する果実でありその果汁は繊細な香気を有し、代替酢として高い評価を得ている。しかし、その香りは熱に弱く加熱殺菌により変質しやすい。そこで膜及び高圧処理により除菌、殺菌、清澄化及び濃縮して品質の良い素材を調整し、これらを用いた新しい商品の開発を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. プレート型精密ろ過膜(MF膜素材:テフロン、孔径:0.2μm)及び中空糸型限外ろ過膜(UF膜素材:ポリエーテルサルフォン、基準分画分子量:150.000)を用いて、スダチ果汁から効率良く(4倍濃縮までの平均透過流速L/M058g.jpg (1738 バイト)・Hr・at25℃:MFで14.6、UFで22.5)清澄果汁を製造することができる。清澄果汁は精油成分をほとんど含まないが、他の成分は原果汁と大きな差は無い(図1表1)。
  2. スパイラル型逆浸透圧濃縮膜(RO膜素材:酢酸セルロース、食塩除去率:99%)を用いて、スダチ清澄果汁より4倍濃縮清澄果汁を得ることができる(透過流速L/M058g.jpg (1738 バイト)・Hr・at25℃:濃縮倍率2までは14~10、濃縮倍率4で2.2)(表1)。
  3. 膜透過液(清澄果汁)と高圧処理(500MP、2分)した4倍濃縮膜保留液(混濁液)を3:1、及び3:4の比率で再混合することにより、原果汁に近い風味を保持した酵母フリーのストレートタイプ及び濃縮タイプの調整混濁スダチ果汁を得ることができる(表2)。
  4. 清澄果汁及び調整混濁果汁を用いて清涼飲料、タレ類及び菓子類(表3)の風味、外観、保存性の優れた商品を開発することができる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 成果の適用範囲:果汁生産企業、清涼飲料製造企業、調味料製造企業、菓子製造企業
  2. 膜処理プロセスを安定に稼働させるためには、膜性能の機能を回復・再生させるための膜洗浄・殺菌をこまめに実施することが大切である。

 [その他]
 
研究課題名:地域資源を利用しだ高付加価値製品の開発
予算区分:フードシステム高度化事業
研究期間:平成7年4月1日~平成8年3月31日
研究担当者:渡辺忠美
発表論文等:スダチ果汁を利用した高付油価値製品の研究、徳島県立工業技術センター研究報告 第5巻 PP.109-114(1996)
 
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