ハーブの血小板凝集阻害作用

[要約]
 
20種類のハーブの中でオールスパイス、バジル、マジョラム、タラゴン、タイムのメタノール抽出物は、コラーゲン凝集に対して阻害作用を示す。またこの作用はタイム以外は熱に安定であり、オールスパイス以外はADP凝集に対しても阻害作用を示す。
香州県発酵食品試験場 加工食品・食品開発・環境担当
[連絡先]0879-82-0034
[部会名]食品
[専門]食品品質
[対象]野草類
[分類]研究

[背景・ねらい]

近年、食品と健康について関心を持つ人が増え、食品に機能性を求める傾向が強くなっている。ハーブは古くから薬草としての価値が知られており、加工食品への利用が期待される中で、その機能性に関する科学的評価も盛んに行われている。
本研究においては、脳梗塞や心筋梗塞のような高い死亡率と深刻な後遺症が問題になっている循環器系疾患が、血小板の凝集機能の昂進による血管の閉塞が原因となっていることに着目し、小豆島において栽培され観光資源でもあるハーブの新しい機能を検索することを目的として、血小板凝集阻害作用について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. ヒトから調整した多血小板血漿に凝集惹起剤(コラーゲン、ADP)を添加し、血小板の凝集試験を行った。
  2. ハーブ20種類について検討した結果、5種類のハーブ(オールスパイス、バジル、マジョラム、タラゴン、タイム)がコラーゲン凝集に対する強い阻害作用を示した(図1)。また、これらの5種類のオールスパイス、バジル、マジョラム、タラゴン、タイの作用の加熱(100℃、30分)に対する安定性はタイムでは作用の低下を認めたが、他は安定していた(図2)。
  3. これらの5種類のハーブのADP凝集に対する阻害作用を検討した結果、オールスパイスについては作用の低下を認めたが、他はコラーゲン凝集の場合と同様の阻害率を示した(図3)。
  4. コラーゲン凝集に対するアスピリンとハーブの阻害作用を比較することにより、ハーブの有効量を推算したオールスパイス、バジル、タラゴンでは250μg/mlの濃度でアスピリン25μg/ml ほぼ同様の阻害率(約50%、図4)であり、したがってその活性はアスピリンの約1/10であると考えられる。
[成果の活用面・留意点]
  1. ハーブの機能性をいかした食品開発の基礎資料となる。
  2. 動物または人の生体内での効果を検討する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:ハーブ等の生理活性物質の検索
予算区分:国補(特定中小企業集積活性化支援事業)
研究期間:平成8年度(平成6年~10年度)
研究担当者:岡崎賢志
発表論文等:香川発食試、研究報告第87号、1996
 
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