焙炒麦を利用した麦味噌製造技術の改良
[要約]
麦味噌
製造において原料裸麦のα化工程は
蒸煮
により行われているが、この工程を限定吸水後、
焙炒
することにより、裸麦の保存性がよくなり、短時間で製麹でき、節水効果もある。
愛媛県工業技術センター・食品加工室 [連絡先]089-976-7612 [部会名]食品 [専門]加工利用 [対象]麦類 [分類]研究
[背景・ねらい]
麦味噌製造においては、原料の洗浄、浸漬、蒸煮等水を使用する工程が多いが、水資源の有効利用やコストダウンを図るためにも節水型の食品加工技術を把握しておく必要がある。また、本県では平成6年夏季に給水時間が1日4時間という異常渇水を経験しており緊急時に対応できる食品製造技術の開発が求められている。
そこで、現在、蒸煮によって行われている麦味噌原料裸麦のα化(糊化)工程を焙炒法に変更し、節水効果を高めた麦味噌製造技術について検討を行った。
[成果の内容・特徴]
麦味噌原料裸麦のα化を限定吸水後、焙炒により行うことで、現行の蒸煮による麦味噌製造方法に比べ約10%節水が可能である。
蒸煮法、焙炒法それぞれの方法によりα化した麦を用いて製麹を行い製麹時の麹の水分および酵素力価(α-アミラーゼ・グルコアミラーゼ・中性プロテアミラーゼ)の変化を測定した(
図1~4
)。結果、蒸煮麦麹に比べ焙炒麦麹においては、短時間で十分な酵素力価が得られた。これにより、製麹時間の短縮ができる。
麹歩合20および50の麦味噌の試醸を行い成分の比較(
表1
)、官能検査を行ったが蒸煮麦味噌、焙炒麦味噌に大きな違いは見られなかった。
原料裸麦を限定吸水後焙炒によりα化した直後から5ヶ月か月間冷暗所に保存した際、水分・α化度・色調の変化はほとんど見られなかった。これにより焙炒麦を製麹に用いるまでの間一時保存することができ、このことにより麦味噌製造工程の一部合理化が図られる。
[成果の活用面・留意点]
焙妙法を用いて麦味噌を製造する際には、原料裸麦の焙炒条件、製麹時の温度・水分等の最適な条件を検討する必要がある。
[その他]
研究課題名:
節水型食品加工技術開発研究(麦味噌製造)
予算区分:県単
研究期間:平成8年度
研究担当者:森本聡、別所康守
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