レンコン茎頂培養苗増殖のための継代および順化前培養条件

[要約]
 
レンコン茎頂培養により得られた苗条を2節分割し、ショ糖3%を加えたMS液体培地を用い、明期30℃、暗期24℃、14~18時間の照明下、30日毎の継代培養により90日間で47倍に増殖する。また8~12時間の照明下で炭酸ガス施用、振とう培養により地下茎の肥大が進み、順調に順化を行うことができる。
徳島県立農業試験場・育種科
[連絡先]088-674-1660
[部会名]生物工学
[専門]バイテク
[対象]根菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

レンコンは同じ系統の種レンコンを何年も使用しているため、株そのものの品質低下等が問題となっている。また優良な系統の種レンコンを確保するのも難しくなっている。
そこで組織培養により優良種苗の増殖を行うため、分割継代培養条件および順化前培養条件を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 分割継代培養 (図1
    1)照明時間は14~18時間の長日条件下で地下茎の節数が多くなる。(表1
    2)培養温度は明期30℃、暗期24℃の変温管理で地下茎の伸長が優れ、節数も多い。(表1
    3)培地はショ糖3%を加えた標準濃度MS液体培地が茎長、節数ともに優れる。(表1
    4)地下茎を2節で分割すると、30日毎の継代培養により90日間で47倍に増える。地下茎を1節で分割し、30日毎の継代培養では、増殖率は高いが生育が劣るため、分  割継代培養には不適である。(表1
    5)以上の培養条件を組み合わせると地下茎の伸長が進み、節数が増え、分割継代に適し  た生育となる。
  2. 順化前培養 (図1
    1)照明時間は8~12時間の短日条件下で地下童の肥大が優れる。(表1表2
    2)培地はショ糖3%を加えた標準濃度MS液体培地が地下茎の肥大、生育ともに優れる。 (表2
    3)炭酸ガスを施用し、振とう培養すると地下茎の肥大が進む。(表2
    4)順化時の活着率を高めるには地下茎の肥大を進めておく必用があり、以上の培養条件を組み合わせると地下茎の肥大が進み、順調に順化を行うことができる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本培養技術を関係団体の育苗施設等で利用することにより、農家に優良な種レンコンを安定供給することが可能となる。
  2. 温度および照明時間を調整でき、炭酸ガス施用、振とう培養できる培養施設または培養装置が必用である。

 [その他]
 
研究課題名:レンコン優良種苗の大量増植技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成8年度(平成2年~8年)
研究担当者:隔山普宜、小川純一
発表論文等:徳島農試研報、33、1997(投稿中)
 
目次へ戻る