カーネーションにおける反射マルチ技術の先駆的導入要因

[要約]
 
カーネーション生産における反射マルチ技術導入の有無には、土地・労働・資本的条件よりも、基本的な信念や価値観である経営理念の方が影響を及ぼす。その中でも競争心が最も大きな影響力をもつ。
愛媛県農業試験場・経営流通室
[連絡先]089-993-2020
[部会名]営農 
[専門]経営
[対象]花き類
[分類]研究

[背景・ねらい]

新技術の先駆的導入は、追随・遅滞者が回避することのできる危険をおかさなければならないが、先駆者利潤を享受できる可能性があるため、その経営発展にはかかせない要因になりうる。
このため、いかなる新技術は、どのような生産者に受け入れられるのかといった新技術導入の論理を構築することは、効率的に新技術を導入する局面において、極めて重要な課題である。
そこで、カーネーション生産において、全切り花本数の32%の増収効果、2L秀品規格の54%増の品質改善効果が認められ、80,547円/1000㎡の投資金額、定植作業時間の67%の増加、追肥方法やかん水方法の改善を必要とする反射マルチ技術の導入過程を事例として、導入者3名と非導入者10名における土地・労働・資本的条件、及び生産者のもつ基本的な信念や価値観である経営理念の違いを検討し、当技術の導入要因を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 導入者と非導入者の間で、経営主年齢、カーネーション経験年数、労働人数、カーネーションの100㎡当たり労働日数には差はないが、カーネーションの栽培面積と年間粗収益には、格差が認められる(表1)。
  2. 導入者と非導入者の間で、農業所得向上意欲の平均の差は1.9、他人のための農業生産意識のそれは0.4と、格差はあまり見られないが、競争心の総合評価値の平均の差は1.6、面白い農業生産意識のそれは1.3と、工0以上の格差が認められる(表2)。
  3. カーネーションの栽培面積と競争心、面白い農業生産意識をアイテムに、数量化Ⅱ類で分析を行った結果、カーネーションの栽培面積や年間粗収益に代表される土地・労働・資本的条件よりも、競争心、面白い農業生産意識などの経営理念の方が、反射マルチ技術導入の有無には大きな影響を及ぼす。特に、競争心のレンジは2.0883と最も大きな影響を及ぼしている(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 新技術に関する導入要因の論理を構築するためには、対象とする作目や技術、及び導入する生産者を取りまく状況等を多数取り扱う必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:カーネーション高品質生産技術確立試験
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成9~11年)
研究担当者:山本和博
発表論文等:平成9年度日本農業経営学会研究大会において発表
        新技術導入の決定要因と経営理念、日本農業経営学会誌
 
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