ナス栽培農家における収量向上対策の有効性評価
- [要約]
- 高収量のナス農家が単位面積当たり収量を向上させるために最も高く評価しているのは、「労力にあった適正規模」と「健苗の育成、優良苗の購入」である。また、単位面積当たり収量が高くなるに従い、栽培技術だけでなく適正規模に対する評価も高くなる傾向が見られる。
高知県農業技術センター・営農機械科
[連絡先]0877-62-0800
[部会名]営農
[専門]経営
[対象]果菜類
[分類]指導
- [背景・ねらい]
県下施設野菜の代表品目であるナスは栽培技術がほぼ確立された品目であるが、収量面において農家間格差が大きくこのことが所得較差にもつながっている。
そこで、収量向上要因を明らかにするために、香我美町ナス農家38戸及び栽培指導関係機関16名を対象にアンケートを実施し、収量成績力別に収量向上対策の有効性を評価する。
- [成果の内容・特徴]
- 全農家で評価が高いのは、「気象変化に応じた栽培管理」、「樹勢に合わせた栽培管理」、「健苗の育成、優良苗の購入」、「病害虫の初期防除」、「早めの段取り」、「適切なホルモン処理」、「優れた人の技術を見習う」等であり、栽培管理に関する項目が多い。全農家で評価が低いのは、「栽培期間の延長を考える」、「長時間労働を行う」、「優秀な常雇用、パートを雇う」、「現地研修会を行う」等である。
- 単位面積当たり収量が高い農家ほど評価が高いのは、「労力に見合った適正規模」、「健苗の育成、優良苗の購入」である。この項目は栽培指導関係機関の評価では若千低めになっている。逆に、収量が低い農家ほど評価の高いのは「早めの段取り」となっている。
- 収量ランク別にみると、Aランクで最も評価が高いのは、「健苗の育成、優良苗の購入」、Bランクは「労力にあった適正規模」、Cランクは「樹勢の強弱に合わせた栽培管理」、Dランクでは「病害虫の初期防除」、「早めの段取り」、「優れた人の技術を見習う」である(表1)。
以上のことより、単位面積当たり15t以上を上げる高収量農家が最も高く評価しているのは、「労力にあった適正規模」と「健苗の育成,優良苗の購入」である。また、面積当たり収量が高くなるほど栽培技術中心から適正規模にも配慮した総合的な視点をもつ経営へと移行する傾向が見られる。
[成果の活用面・留意点]
- 認定農業者制度における活用や収量レベルに対応した経営指導の参考となる。
- 秀品率、農家の経営面積、月別収量形成、年齢等による農家の分類は行っていないので留意する。
- [その他]
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- 研究課題名:ナス栽培農家における農業経営給合診断システムの確立
- 予算区分:県単
- 研究期間:平成9年度(平成9~11年)
- 研究担当者:縄砂恵子・前田良守・松村栄子
- 発表論文等:なし
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