簡易計量装置付き水稲種子自動被覆装置

[要約]
 
本装置は、湛水直播栽培に用いる酸素供給剤被覆種子を自動的に得る装置である。水稲種子量に応じて被覆剤と水を簡易な装置で計量しつつ、プログラムに沿って添加、噴霧する。既存の被覆ドラムが利用でき、計量精度が高く実用的である。
香川県農業試験場・農業機械担当
[連絡先]087-889-1121
[部会名]作業技術
[専門]機械
[対象]水稲
[分類]普及

[背景・ねらい]

水稲の湛水直播においては、水稲種子の酸素供給剤(以下、被覆剤)による被覆作業には簡易な回転ドラムが利用されているが、被覆剤と水の供給は手作業であるため、均一な被覆種子が得られ難く、処理能力が低い。また、作業中に被覆剤が飛散し易いことや経験が必要であることなどから、直播栽培における普及上の間題点となっている。このため、既存の回転ドラムに被覆剤と水を自動で添加、噴霧する装置と利用法を開発する。  

[成果の内容・特徴]
  1. 本装置は被覆剤タンク計量吐出部、水タンク計量噴霧部、洗浄用温水タンク噴射部、被覆ドラム部、制御部からなる。被覆剤タンク(被覆剤は24㎏投入可能)は底部に加変速吐出スクリュ、内部にアジテータ、外部に加振器を装備している(図1)。
  2. 被覆剤の計量は吐出口に備えた簡易な天秤式計量装置により行う。容量0.27リットルの計量カップは最大250gまでの計量を任意に設定でき、被覆剤の流量を多、極少の二段とすることで被覆剤のタンク内残量の影響を極力軽減できる構成としている(図23)。
  3. 噴霧水の計量は水圧変動による検出能力の低下が少ないオーバルギャ方式を採用している。また、噴霧停止時におけるノズルからの雫の発生防止のため、送水管路に余圧解除用バイパスを設けている(図1)。
  4. 被覆プログラムは、被覆剤と水の吐出量、反復回数、待機時間を籾種子量に応じて設定する。
  5. 被覆ドラム直径90㎝を用いて水稲種子の2倍重(カルパー16粉粒剤)を被覆する場合、1回の処理量は最大8㎏(乾籾換算値、20~27a播種分)で、所要時間は被覆剤の最少計量を200gとすると40分となり、均一な被覆種子が得られる(表1)。この間、作業者の用務は監視だけとなり、飛散する被覆剤は回避できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 添加する被覆剤(カルパー16粉粒剤)に対する噴霧水は質量比宰で16.5~17.0%が適切である。なお、噴霧水には水道水を蛇日から直接利用することもできる。
  2. 浸種後の水稲種子の水切りに脱水機を使うと短時間で水切りができ、被覆精度の確保に有効である。また、作業終了後の被覆ドラムの洗浄には本装置のように温水が有効であるが、一度、ドラムに温水を入れ、時間をおいてから作業すると効果的である。

 [その他]
 
研究課題名:香川型低コスト稲作技術開発実証事業、地域基幹農業技術体系実用化研究
予算区分:県単、助成
研究期間:平成9年度(平成7~11年)
研究担当者:金磯泰雄、米本謙悟
 
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