水稲無化学肥料栽培におけるなたね油粕の効果的な施用法

[要約] 

なたね油粕を用いた水稲栽培では、入水・代かき直前に施肥すると土壌中のアンモニア態窒素濃度は高くなり、玄米収量も増加する。また湛水条件下におけるなたね油粕の窒素無機化率は温度による変化が大きい。 
徳島県立農業試験場・農芸化学科
[連絡先]0886-74-1660
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]土壌
[対象]根菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

本県の有機質肥料を用いた水稲栽培では、主としてなたね油粕が入水・代かき20日前に施肥されているが、初期生育が緩慢であるため、化成肥料を用いた栽培に比べ収量減につながることがある。そこで施肥後の入水・代かき時期と土壌中の無機態窒素濃度との関係を把握し、最適な基肥施肥技術を検討することにより、有機栽培米、特別栽培米の生産安定に資する。

[成果の内容・特徴]
  1. 入水・代かき直前になたね油粕を施肥すると、入水代かき20日前に施肥した慣行区より土壌中のアンモニア態窒素は高い濃度で推移する。慣行区は施肥後土壌中で硝酸化成が起こり、入水後もアンモニア態窒素は低く推移する(図1)。
  2. 入水・代かき直前になたね油粕を施肥すると、化成肥料区よりは劣るが、慣行区に比べて玄米収量は増加する(表1)。
  3. なたね油粕を慣行量から3割増肥すると、化成肥料と同等以上の玄米収量が得られる(表2)。
  4. 湛水条件下におけるなたね油粕の窒素無機化率は温度が高いほど増加する(図2)。

 [成果の活用面・留意点]

  1. 入水・代かきの直前に施肥すると、基肥に施用したなたね油粕から無機化した硝酸態窒素の流亡を抑制することができる。
  2. なたね油粕の無機化率は化成肥料より小さく、温度が低いほど劣るため、入水・代かき直前施肥の場合、地温の低い早期栽培には適さない。また、化成肥料と同等の収量を維持するためには施肥量を増やす。

 [その他]
 
研究課題名:土壌壌水分コントロールによる有繊質肥料の肥効促進
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成7~9年)
研究担当者:小川仁、波多間美貴子、黒島忠司
 
 
目次へ戻る