砂質土壌におけるシュッコンカスミソウ施設栽培の効率的施肥方法

[要約]
 
砂質土壌シュッコンカスミソウ施設栽培において、緩効性の被覆肥料を施用することにより、窒素施用量を従来の50~70%に節減でき、しかも窒素の利用率改善品質の向上が可能となる。
高知県農業技術センター・生産環境部・土壌肥料科
[連絡先]0888-63-4915
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]土壌
[対象]シュッコンカスミソウ
[分類]指導

[背景・ねらい]

シュッコンカスミソウは本県における主要な施設花きの一つであるが、その安定生産のために効率的な施肥法の確立が望まれている。特に、砂質土壌における施設栽培では、土壌水分のコントロールが容易で、品質の良い切り花生産が可能であるが、水田に比べて保水力や保肥力が小さいため、従来のCDU化成や有機化成配合肥料では施肥窒素の利用率が低く、採花本数やボリューム等が劣るといった問題点がある。
そこで、被覆肥料を用いて施肥窒素の利用率の向上を図るとともに、生育促進のための適正な施肥法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 使用肥料は、被覆肥料(ロング、スーパ-ロング等)とし、窒素施用量は慣行施用量(30㎏/10a)の約50~70%とする。(第12表
  2. 慣行の肥料(CDU化成)の場合は定植直後の多灌水管理により施肥成分は流亡し、土壌の無機態窒素量は急激に減少するが、被覆肥料では栽培後期まで低いながらも一定レベルを維持できる(第1図)。
  3. 被覆肥料の使用により、施肥窒素の利用率は高まり、生育は初期から旺盛となる。収穫時の地上部乾物重は従来の肥料の場合よりも増大し、茎径や調整童等も増加して切り花のボリューム観の向上が図られる(第12表)。                                  

[成果の活用面・留意点]

  1. 作型は、シュッコンカスミソウ施設栽培3月出し(10月初句定植、2~4月収穫)とする。
  2. 使用する被覆肥料は、肥効発現までの期間や肥効の持続期間等の溶出パターンを十分把握し、作型に適応したタイプの肥料を選定する。
  3. 作期や管理によって後半肥切れをおこす場合が土壌で多灌水管理を行う場合、緩効性の被覆肥料が肥効率が高く、施肥量の低減と追肥労力の節減につながり、併せて環境保全に寄与できる。

 [その他]
 
研究課題名:施設花きの土壌管理技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成5~8年度
研究担当者:岡林美恵、伊沢久美
 
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