徳島県における良食味水稲「北陸159号」の奨励品種採用

[要約]
 
北陸159号は出穂、成熟期ともに日本晴れより2日早く、本県では普通期の早生に属する粳種である。収量は日本晴と同程度である。品質は心白の発現がなく日本晴よりやや良質であるが、粒大は小さい。食味は明らかに日本晴より良く、県内平坦部の普通期栽培地域における良食味品種として導入を図る。
徳島県立農業試験場・作物科
[連絡先]0886-74-1660
[部会名]水田・畑作
[専門]育種
[対象]稲類
[分類]普及

[背景・ねらい]

本県では県東南部の早期米から県央、西部の普通期米へと、良食味米を断続的に出荷できる体制の確立を目指している。しかし、普通期水稲の早生主要品種として栽培されている日本晴は、栽培特性は良いものの食味評価が必ずしも高くないことから、普通期栽培の早生に適した良食味品種の導入が望まれていた。そこで、北陸農業試験場で育成された北陸159号(北陸132号/北陸122号(のちのキヌヒカリ))を選定し、本年度奨励品種に採用した。

[成果の内容・特徴]
  1. 出穂期、成熟期ともに日本晴より2日早く、本県では普通期の早生に屈する粳種である(表12)。
  2. 稈長は日本晴より約5㎝短く、穂長もやや短い。穂数はやや多く、草型は偏穂数型である(表12)。
  3. 収量は日本晴と同程度である(表23)。
  4. 玄米の粒形は中であり、粒大および千粒重ども日本晴より小さい(表2)。
  5. 外観品質は心白の発現がなく日本晴よりやや良質である(表23)。
  6. 食味は、日本晴より明らかに良く上の中である(表14)。
  7. 脱粒性は難、穂発芽性はやや易、耐倒伏性はやや強であるが日本晴よりやや劣る(表1)。
  8. いもち病に対して抵抗性遺伝子Pi-a,iをもつと推定されるが、圃場抵抗性はやや弱である(表1)。                       

[成果の活用面・留意点]

  1. 県内平坦部の普通期栽培地域へ良食味品種として普及が見込まれる。
  2. いもち病にはやや弱いので常発地帯では栽培しない。また、防除薬剤の箱施用を必ず実施するなど予防対策を十分講じる。
  3. 粒が小さいので過剰に籾数をつけない。また、日本晴と比べて耐倒伏性がやや弱く、しかも穂発芽しやすいので、本田初中期の生育が過繁茂にならないように基肥は控えめとする。

 [その他]
 
研究課題名:水稲奨励品種決定調査
予算区分:国補
研究期間:平成9年度(平成5~9年)
研究担当者:豊成傑、藪内和男
発表論文等:なし
 
目次へ戻る