水稲湛水直播栽培における緩効性肥料の全量基肥施用法

[要約]
 
水稲湛水直播栽培において代かき時に緩効性肥料全量基肥施用する方法は、速効性肥料の分施に比べて、省力的である。中生品種コガネマサリの場合、緩効性肥料(溶出日数140日型)を10a当たり窒素施用量で6㎏施用するのが良い。播種時に側条施肥すれば、さらに施肥作業が省力化でき、生育の揃いが良く施肥効率も高い。
香川県農業試験場・作物担当
[連絡先]087-889-1121
[部会名]水田・畑作
[専門]栽培
[対象]稲類
[分類]普及

[背景・ねらい]

水稲の直播栽培は省力、低コスト栽培として注目されているが、そのうち、湛水直播栽培では、施肥における問題点として、生育初期の過繁茂、倒伏等があり、これらを解決する施肥技術が求められている。そこで、これらの問題の解決と施肥作業の省力化の面から緩効性肥料の全量基肥施用法について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 代かき時の緩効性肥料の全量基肥施用は、速効性肥料の分施(基肥+追肥3回)に比べて、施肥作業が1回で済み、省力的である(表1)。
  2. 速効性肥料の分施(総窒素施用量12㎏/10a)に比べて、緩効性肥料の全量基肥施用区は、穂長がやや短いが、穂数はほぼ同程度確保され、収量はほぼ同等である(表2)。
  3. 中生品種コガネマサリの場合、緩効性肥料(溶出目数140日型)の施用量は6㎏(10a当たり窒素施用量、以下同じ)が良い。8㎏施用では、収量はほとんど変わらず、倒伏がみられ、玄米の外観品質もやや低下する(表2)。
  4. 播種機に装着した側条施肥装置により、播種と同時に側条施肥すれば、代かき時の6㎏全層施用に比べて、さらに施肥作業が省カ化でき、約3割減の4㎏施用でほぼ同等の収量が得られ、同じ6㎏施用では、やや多収となる(表3)。
  5. 側条施肥では、全層施肥に比べて、生育ムラが少なく、生育が良く揃う。                                      

[成果の活用面・留意点]

  1. 本施肥法は、コガネマサリ以外の品種にも適用可能と考えられるが、他の品種については、緩効性肥料の種類(特に溶出日数)及び施用量について、確認が必要である。緩効性肥料の施用量は圃場の肥沃度により調節が必要である。
  2. 緩効性肥料の施用量は圃場の肥沃度により調節が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:水稲直播を基幹とした稲麦等大規模輪作技術
予算区分:地域基幹農業技術体系実用化研究
研究期間:平成9年度(平成6~10年)
研究担当者:森 芳史、西村 恵、村上優浩、乙井継己
発表論文等:平成10年度稲作生産改善対策指導指針
 
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