水稲湛水直播栽培における効果的雑草防除法
- [要約]
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- 水稲湛水直播栽培の雑草防除は、播種直後にピラゾレート粒剤を散布し、芽干し後にジメピペレート・ベンスルフロンメチル粒剤を散布する体系処理法により、高い除草効果が得られる。
香川県農業試験場・作物担当
[連絡先]087-889-1121
[部会名]水田・畑作
[専門]雑草
[対象]稲類
[分類]普及
- [背景・ねらい]
水稲湛水直播栽培では、稲と雑草の出芽がほぼ同時期であるため、稲は生育初期から雑草と競合し、雑草害は移植栽培より大きいことが知られている。すなわち、この栽培法の安定化には雑草防除が重要な課題の一つである。これまで湛水直播で使用できる除草剤の種類は薬害面で制限されていたが、最近ではその開発などが進み、新たな除草剤が登録されてきている。そこで、これらの除草剤を使った効果的な雑草防除法を検討する。
- [成果の内容・特徴]
- 播種直後又は芽干し後の単用処理ではノビエ、カヤツリグサの残草が多くなるが、体系処理では、その残草量は少なくなる(表1)。
- 芽干し後処理とシハロホップブチル・ベンタゾン液剤を用いた体系処理では、単用処理に比べて除草効果は高くなるがやや残草する(表1)。
- 芽干し後の単用処理では、雑草害による収量の低下がみられる(表1)。
- 無除草における芽干し後のノビエの葉齢分布は、1.1~1.5葉期が約60%を占め、最も多くなるが、除草剤の殺草限界(2.0葉期)を超えるものが出現する(図1)。
- ピラゾレート粒剤の播種直後処理に、ジメピペレート・ベンスルフロンメチル粒剤を加えた体系処理が、ノビエの残草が極めて少なくなり、最も効果的である(表1、図2)。
[成果の活用面・留意点]
播種直後及び芽干し後(エトベンザニド・ピラゾスルフロンエチル粒剤・イマゾスルフロン・エトベンザニド・ダイムロン粒剤でも使用可)の体系処理を基本とし、ノビエ等が残草する場合はシハロホッブブチルを含む除草剤を適宜使用する。
芽干し後に使用する除草剤は、薬書の面から水稲の1.0葉期以降に処理する。
播種直後及び芽干し後の除草剤使用に当たっては、深水条件は、浮き苗や転び苗が発生しやすく、薬害、出芽・苗立不良の原因となるので注意する。また、適正な水管理ができるように圃場の均平化を図っておく。
- [その他]
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- 研究課題名:水稲直播を基幹とした稲麦等大規模輪作技術
- 予算区分:地域基幹農業技術体系実用化研究
- 研究期間:平成9年度(平成6~10年)
- 研究担当者:
村上優浩、森 芳史、藤田 究、乙井継巳
発表論文等:平成10年度稲作生産改善対策指導指針
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