パオ鶏舎(トンネル型)による特産鶏の飼養技術

[要約]

パオ鶏舎(トンネル型)は骨材の組合わせにより形状・大きさを自在にできる農業用パイプハウスを利用することにより、低コストかつ省力的に製作でき、移設も容易である。これによる鶏の飼育は、鶏体および鶏卵肉生産上従来飼育に優る。
徳島県畜産試験場・養鶏科
[連絡先]080886-94-2023
[部会名]畜産
[専門]飼養技術
[対象]鶏
[分類]普及

[背景・ねらい]

低コストで製作でき簡易に移設できるパオ鶏舎を開発し、これを利用した特産鶏の飼養技術を確立することにより、白然豊かな立地条件を活かした中山間地域養鶏のイメージアップ及び活性化をめざす。

[成果の内容・特徴]
  1. パオ鶏舎(トンネル型)は、簡単に制作でき、容易に移設できる。しかも骨材の組合わせにより形状・大きさを自在に決めることができる。製作資材は、骨材:農業用ハウスパイプ、屋根材:シルバーシート、側面:亀甲金網である。また建設責はパオ鶏舎:38,246円/棟、放飼場:92,169円/180㎡である(表1)。設備として、円筒給餌器、ニップル式給水器、産卵箱が必要である。
  2. 放飼場には、獣害対策として上面に防烏ネット、側面に漁網を設置する。また、放飼場草地における景観維持可能な期間は約1ヶ月である。
  3. 卵用鶏(ロードアイランドレッド)はパオ鶏舎(3m×5m=15㎡)+放飼場(180㎡)で50羽、また肉用鶏(阿波尾鶏)はパオ鶏舎(3m×5m=15㎡)+放飼場(90㎡)で90羽が飼養できる(図1)。
  4. パオ鶏舎屋根材において、断熱材は夏・冬を通じて鶏舎内温度変化を制御できるが、シルバーシートは断熱材より安価であり夏季温度変化の制御も可能である(表2)。また、秋・冬季において卵用鶏の飼料要求率は、鶏舎側面をビニールシート等で防風することにより改善され(表3)、更に、夜間点灯により産卵率低下が防止できる(表4)。
  5. 卵用鶏はパオ鶏舎で長期間放飼することにより血液中中性脂肪、総コレステロールが低下する(表5)。また、肉色のa値が増す(表6)。
  6. 以上により、本成果は消費者の持つ健康的なイメージに沿った中山間地域における特産鶏の新飼養技術として活用できる。       

[成果の活用面・留意点]

  1. 獣害対策は本成果に加えて、金網と柱との接合部及び地面周辺が野犬などの攻撃に対してもろいため強化する必要がある。
  2. 本成果羽数以上飼育する場合は給餌給水スペース、産卵箱数、夜間休息スペースに留意する。また、放飼場は広いほど草地の荒廃が少ないが、180㎡以上の場合は産卵箱外産卵、獣害に留意する必要がある。
  3. パオ鶏舎は夏季において鶏舎内への直射日光の侵入防止のため日除け用ブルーシートを設置する。また、パオ鶏舎周囲は舎内への雨水の侵入防止のため地面から20㎝程畦波等で覆う。

 [その他]
 
研究課題名:四国中山間地域活性化のための特産鶏卵肉安定生産システムの開発
予算区分:地域重要
研究期間:平成9年度(平成7~9年)
研究担当者:笠原 猛、岡島博道、篠原啓子、三船和恵
発表論文等:徳島県畜産試験場研究報告 №37、1996、№38、1997
 
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