パオ鶏舎(ドーム型)の開発

[要約]
 
パオ鶏舎(ドーム型)は、耐風性と獣害対策を重視して開発され、スチールパイプ12本通気口からなる(底辺直径:3.2m)。これによる建設・解体・移設は容易で土佐ジローの飼育に効果的に利用できる。被覆材としては不織布シートが夏期防暑対策に有効である。飼育密度3.8羽/mである。
高知県畜産試験場・養鶏科
[連絡先]0889-22-0044
[部会名]畜産
[専門]農業施設
[対象]家禽類
[分類]普及

[背景・ねらい]

本県では中山間地城を中心に卵肉兼用特産鶏である土佐ジローが飼育されている。放飼場付き鶏舎での平飼い、緑餌給与を飼育条件としているため、同一平飼鶏舎での連続飼育は衛生上の問題がある。そこで、建設・移設が容易にできる鶏舎の開発を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 本鶏舎は、①基本的に耐風性と獣害対策を重視した構造とし、②園芸ハウス用のスチールパイプ12本を通気口に接続するのにボルト締めでなくはめ込み式としたので建設が容易である(図1表1)。③このパオ鶏舎の建設費は木造鶏舎の約5分の1である(図1表1)。④このパオ鶏舎は網を外すこともなく1.5人役で持ち上げ、移設が可能である(図1表1)。⑤被覆材について、ポリエチレンシートはパイプとの接触部が摩耗により劣化し1年未満しか耐久性がなく、不織布シートとビニールシートは2年以上使用が可能である。
  2. ドーム型鶏舎における飼育密度は、産卵期において3.8羽/㎡が有効である。また、このパオ鶏舎における産卵性は従来の木造鶏舎より優れている(表2)。
  3. 鶏舎内部温度について、夏期晴天時の日中にはビニールとポリエチレンは不織布に比べ2~10℃高く、鶏舎として使用するには遮光ネットなどの併用が必要である。(図2)。
  4. 以上により、自然豊かな中山間地域における土佐ジローの飼養技術の確立が図られる。                            

[成果の活用面・留意点]

  1. 被覆材を骨組と網に密着させるためパッカー・ポリパイプ・マイカ線が適している。
  2. 梯子状止まり木を骨組に斜め(筋交い状)に設置することで鶏舎補強に適している。
  3. 雨水進入には10㎝以上の盛り土、石灰散布と畦波トタンの設置が有効である。

 [その他]
 
研究課題名:四国中山間地域活性化のための特産鶏卵肉安定生産システムの開発
予算区分:地域重要
研究期間:平成9年度(平成7~9年)
研究担当者:長坂直比呂、平岡英一、吉村 敦
発表論文等:平成8年7月10日付けで特許申請(移動式鶏舎及び鶏の飼育法)
        平成9年1月潜在畜産技術情報に「地鶏向けパオ鶏舎の開発」として発表
 
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