温州みかん若木の機械移植による早期成園化

[要約]
 
温州みかん若木機械移植は、移植時に枝の除去程度が強いほど葉が多く発生する。移植後2年目は、全適果し、夏剪定を行うと葉数・根量が多くなり、移植後3年目の収量は多い。
愛媛県農業試験場・栽培育種室
[連絡先]089-977-2100
[部会名]果樹、傾斜地
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

改植は伐採・植え付けという労働負担が大きい作業であるが、園内道を利用し機械を使えば軽労働で短時間に行うことができる。しかしながら、改植による園地更新は2~3年生苗を植え付ける場合未収益期間が長い。そこで、機械を利用した改植を行う場合の未収益期間短縮方法として若木移植樹の早期育成法を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 小型油圧式ショベルで8年生興津早生を抜きとり移植後の新梢管理の違いによる生育を比較すると、移植時は枝の除去程度を強くし3年枝まで切り下げると新葉数の発生は多く、葉数の回復率が高い(表1)。
  2. 移植後2年目の春に軽く剪定を行い結実させる場合、移植時の枝の除去程度が軽いほど収量は多くなる(表3)。
  3. 移植後2年目に全摘果し夏剪定を行うと、春夏枝の総葉数と総新梢長及び紬小根量が多く(表2)、樹冠の拡大は良好となる。移植後3年目は2年目に全摘果し夏剪定を実施した樹で収量及び1㎡当たり果数が多く、果実階級もL~M玉の割合が多くなる(表3)。
  4. 以上の結果から、若木移植後2年目から結実させることは可能であるが、果実品質や樹冠拡大が劣る。このため、移植後2年目に全摘果し夏剪定を実施した方が、移植後3年目の収量が多くなって良い。                                              

[成果の活用面・留意点]

  1. 移植樹の抜根は小型油圧式ショベルを利用し、作業の効率を図るとともに、根を多く残す。移植は4月か6月に行い、移植後は看灰乳を塗布し日焼けを防止し、土壌を乾燥させない。移植後2年目に結実させると果実は大玉となり商品性が劣る。

 [その他]
 
研究課題名:カンキツ園の改植と園地改造による省力機械生産体系の確立
予算区分:地域基幹農業技術体系化促進研究
研究期間:平成9年度(平成7年~9年)
研究担当者:藤原文孝・加美 豊・井上久雄
発表論文等:なし
 
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