カンキツそうか病防除における薬剤耐性菌対策

[要約]
 
愛媛県南予地域におけるカンキツそうか病に対する部ベンズイミダゾール系薬剤の効果減退は多数回散布による薬剤耐性菌の発生によるものである。この耐性菌に対してフルアジナム水和剤(SC)、イミベンコナゾール水和剤及びイミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤が有効である。
愛媛県農業試験場・生産環境室
[連絡先]089-977-2100
[部会名]果樹
[専門]作物病害
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

カンキツそうか病防除はベノミル水和剤やチオファネートメチル水和剤により、完全防除がなされていた。しかし、近年、南予地域の温州みかんを中心に、これらベンズイミダゾール系薬剤の効果が減退してきた。そこで、その原因を調査し、防除対策を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 薬剤効果減退の園地から採集したカンキツそうか病菌は100ppmのベノミル含有の培地でも生育する薬剤耐性の菌株が高率に分離され、また耐性菌接種による防除をみても著しい効果減退が認められたことから、ベンズイミダゾール系薬剤の効果減退原因は薬剤耐性の発現によるものである(表1)。
  2. 八幡浜市、宇和島市、三瓶町等の温州みかん園、松野町のユズ園(モモ栽培隣接園でモモと同時に2回散布)で高率の耐性菌が認められ、一方、丹原町、松山市、明浜町(有機質肥料・無農薬栽培園)の温州みかん及び、広見町、日吉村のユズ園では耐性菌が全く認められなかったこと(表2)、また県内のカンキツそうか病防除の実状(南予2回、東・中予0~1回、ユズ0~1回)から推察して、耐性菌の発生はベンズイミダゾール系薬剤の多数回散布が引き金になっている。
  3. 耐性菌が高率に発生している園地での薬剤の効果試験から、有効薬剤はフルアジナム水和剤(SC)の2,000倍、イミベンコナゾール水和剤の2,000倍及びイミノクタジン酢酸塩・ポリオキシン水和剤の1,000倍である。
  4. 有効薬剤の散布時期は、4月よりも5月(落弁期)散布の方が良好である。また、越冬病斑を除去したうえで、5月に1回薬剤散布を行うのも有効である(表3)。                                                                          

[成果の活用面・留意点]

  1. 越冬病斑や発病葉を除去するなどの耕種的防除を有効薬剤の散布と合わせて行うのが効果的である。

 [その他]
 
研究課題名:かんきつそうか病新防除法試験
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成6~8年)
研究担当者:毛利真寿代・橘 泰宣・三好孝典
発表論文等:なし
 
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