集落排水処理水の温州みかんへの利用

[要約]
 
農業集落排水事業による生活排水処理水は温州みかんの潅水ならびに防除用水として年間を通して利用しても、果実品質及び防除効果に支障はない。
愛媛県立果樹試験場・岩城分場
[連絡先]0897-75-2014
[部会名]果樹
[専門]資源利用
[対象]果樹類
[分類]研究

[背景・ねらい]

瀬戸内島しょ部の慢性的な水不足に対応して、農業集落排水事業による処理水のカンキツ栽培の潅水、防除用水としての可能性を探るために処理水の水質と果実品質、収量、防除効果に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 生活排水処理水のPH、EC及び無機成分含量は地下水に比べて高く、全チッ素では地下水の約3倍、全リンが30倍、カリが約14倍である(表1)。
  2. 菊間中生に対し、地下水及び処理水を用いた潅水を行ったところ、収量、1果重、階 級割合に差はない(表2)。
  3. 果汁の糖度及びクエン酸にも地下水と処理水との差はない。また果皮色、果皮厚、浮き皮程度といった果実品質にも差はない(表3)。
  4. 防除効果にも地下水と処理水による差はない(表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 夏季に潅水や防除用の水が不足する地域では、集落排水事業処理水を潅水や防除に利用することが可能である。
  2. 処理水には少量の浮遊性物質が含まれているので、潅水チューブや散水ノズル等潅水用資材を利用すると、散水孔が詰まることがある。
  3. なお試験開始3年目であるが、今後土壌の化学性や葉中無機成分、樹体生育等に対する累積的影響を調査し、処理水利用と肥培管理について検討する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:農業集落排水事薬処理水の高度利用試験
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成7年~9年)
研究担当者:本田康弘、中川雅之、脇 義富
発表論文等:なし
 
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