日本ナシ「新高」の加温施設栽培

[要約]
 
日本ナシ「新高」の休眠覚醒時期は1月6半旬で、2月上中句からの加温で、収穫時期は1カ月程度前進化できる。加温施設栽培では、Y字仕立てが収穫時期が早く、揃う。果実は糖度は高いものの、縦長の変形果が多く、果肉硬度が高い。
愛媛県農業試験場・栽培育種室
[連絡先]089-977-2100
[部会名]果樹、傾斜地
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

近年、日本ナシ「新高」は、他県産の高知市場への流入等で、価格低下が懸念されるようになってきた。本県が「新高」の特産地として維持していくためには、経営規模の拡大や安定した高品質果実の生産、消費の多様化等に即した対策を立てる必要がある。そこで、労力の分散および早期出荷を目的とする加温施設栽培技術体系を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 日本ナシ「新高」の自発休眠の完了時期は、7.2℃以下の低温に860時間程度遭遇した1月6半旬であり、2月上旬から加温開始が可能である(図1)。
  2. 2月上旬から最低温度10℃(最高気温は25℃で設定)で加温すると、満開時期、収穫始めともに1カ月程度前進させることができる(表1)。
  3. 加温施設栽培での果実重は露地栽培と同程度であるが、縦長の変形果が多くなる。また、果実の糖度は高いが、果肉硬度が高くなる(表1)。
  4. Y字仕立て(77本/10a)は、結果樹齢の若い時の収量や果実重はやや小さいものの、収穫時期の早さと熟期の揃いや果実の糖度では他の仕立て方法より優れる(表2)。                                                                  

[成果の活用面・留意点]

  1. 加温施設栽培の果実は、果肉先熟で果肉硬度が高いので、収穫時期の判断が難しい。
  2. 加温施設栽培は、現状では経費や果実の販売価格で問題があるものの、約1カ月程度の収穫の前進化が可能で、労力の分散が期待できる。

 [その他]
 
研究課題名:新高なしの施設利用による安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成3~8年)
研究担当者:田中誠介、西本年伸、木村和彦、庭瀬守昭、次田充生
発表論文等:なし
 
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