日本ナシ「新高」の簡易被覆栽培

[要約]
 
日本ナシ「新高」でサイドのある簡易被覆栽培を行うと、昼温の上昇し開花が早まり、開花で10日、収穫で8日程度前進化ができる。簡易被覆栽培で収量や果実重、果実の糖度は優れるが、水なし果の発生が多い。
高知県農業技術センター・果樹試験場
[連絡先]0888-44-1120
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

近年、日本ナシ「新高」は、他県産の高知市場への流入等で、価格低下が懸念されるようになってきた。本県が「新高」の特産地として維持していくためには、経営規模の拡大や安定した高品質果実の生産、消費の多様化等に即した対策を立てる必要がある。そこで、労力の分散と早期出荷を可能とする簡易被覆栽培体系を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 平棚上でパイプを間口2m、高さ1mのトンネルにし、厚さ0.5㎜のビニールを開花前1カ月頃にサイドまで被覆し、満開後2カ月頃に除去すると、開花で10日、収穫で8日程度前進化ができる。また、サイドの無い場合は、開花で2~3日、収穫で4~6日程度前進化ができる(表1)。
  2. サイドのある被覆条件下では、露地に比較すると、最高気温で5.5℃程度、最低気温で0.3℃程度温度が高く推移した。このことから最高気温の上昇が開花を早めるものと思われる(表2)。
  3. 簡易被覆栽培では収量が多く、果実重も重くなり糖度も高いが、水なし果の発生が多くなる(表3)。                        

[成果の活用面・留意点]

  1. 開花時期が前進化し、開花~幼果期に極端な低温に遭遇する危険性があるので低温対策が必要である。
  2. 露地栽培より水なし果の発生が多くなる年がある。

 [その他]
 
研究課題名:新高なしの施設利用による安定生産技術の確立
予算区分:地域基幹農業技術体系化促進研究
研究期間:平成9年度(平成3~8年)
研究担当者:田中誠介、西本年伸、木村和彦、庭瀬守昭、次田充生
発表論文等:なし
 
目次へ戻る