サツマイモの短つる大量生産技術

[要約]
 
本技術は、サツマイモの親株の植付け密度を26株/㎡とする養液育苗であり、整枝は弱摘心にする。これにより、機械化移植に必要な短つるを大量に生産できる。生産量は慣行の1.75倍である。
徳島県立農業試験場・野菜科
[連絡先]0886-74-1660
[部会名]野菜・作業技術
[専門]栽培・農業施設
[対象]根菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

セル成形苗を利用したサツマイモの全自動機械移植栽培は、栽植密度が慣行の約3倍となり、このための、短つる(約15㎝)が大量に必要となる。また、現状の地床育苗では管理作業の繁雑さや採苗時の作業姿勢の悪さから労働負担が大きい。そこで、短つる大量生産と省力、軽作業化に対応する技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 育苗装置
    ベッドは地上約1mに水平に設置し、ベッド内は培養液が滞留しないように排水溝を設ける。ベッド。内に細霧灌水チューブを設置し、噴霧による給液を行い、余剰液はタンクに戻る循環式である。給液は連続及び間断給液が行えるようタイマーで制御する。間断給液を行う場合には、給液ポンプと連動する廃液口バルブが開閉する(図12写真1)。
  2. 培養液管理
    培養液温度は25℃に維持する。培養液は準園試処方を用い定植開始からEC2.0mS/㎝で 管理する。給液は定植直後から4月上旬までは連続給液とし、その後日中は連続給液で、夜間は1時間給液1時間停止の間断給液とする。給液停止時には廃液口バルブが閉まり培養液を湛液する(表1)。
  3. 育苗法
    親株の植付け密度は、約26株/㎡となるよう、幅120㎝ベッドに株間25㎝、条間13㎝で8条植えとする(表1)。つるの整枝は、4~5芽残し切り戻し、4月以降は、無摘心とする(表2)。
  4. 以上の結果から、若木移植後2年目から結実させることは可能であるが、果実品質や樹冠拡大が劣る。このため、移植後2年目に全摘果し夏剪定を実施した方が、移植後3年目の収量が多くなって良い。 本技術では、慣行育苗の1.75倍の短つるが生産でき、省力化や作業姿勢の改善による軽労化が図れる。                                                               

[成果の活用面・留意点]

  1. この技術は、長つるにも対応できる。
  2. 定植時期は慣行と同様に2月中旬までに行う。
  3. つるの整枝法は、短つるを採苗する管理法である。
  4. 育苗ハウス内の温度管理は、最低気温15℃、最高気温30℃で管理する。

 [その他]
 
研究課題名:サツマイモ機械化一貫体系の確立
予算区分:(国補)地域特産農作物用機械開発促進事業
研究期間:平成9年度(平成7年~9年)
研究担当者:吉田 良・川下輝一・板東一宏
発表論文等:
 
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