キクわい化病の伝染経路と品種の抵抗性

[要約]

キクわい化病は、幼苗時に感染が起こりやすく、罹病苗の生きた根の残渣が混入した育苗用土で挿し木育苗した場合や植え付け時に罹病苗と根部が、摩擦接触することによって伝染する。キクわい化病の潜伏期間感染率は品種間差がある。
香川県立農業試験場・小豆分場
[連絡先]0879-75-0033
[部会名]野菜・花き・茶(花き)
[専門]作物病害
[対象]花き類
[分類]普及

[背景・ねらい]

きくの産地である池田町や香川町浅野で、数年前からキクわい化病(CSVd)が発生し、同一場内で栽培されている健全品種への伝染が認められている。キクわい化病発病圃場では収量が減少し、潜伏個体を含めて親株としての使用もできなくなる。フリー化も簡単でないため、特に共同育苗を行っている産地で問題となっている。ウイロイドの伝染経路は、栄養体感染、汁液感染が知られているが、きくでは十分に明らかにされていない。そこで、生産過程における伝染経路と品種の感受性について調査する。

[成果の内容・特徴]
  1. 罹病個体の汁液が付着したはさみは、伝染源となるものの、通常の作業で付着する程度の場合には感染はしにくい(表1)。
  2. 罹病苗の生きた根の残渣が混入した育苗用土は連続使用しない(表2)。
  3. 苗の植え付け時に、罹病苗の根と健全苗の根が、摩擦接触することにより伝染する(表3)。
  4. 罹病個体汁液を主要品種に棄面接種し、発病までの潜伏期間や発病率を調査した結果、「秀芳の力」では発病率が低く、「精興黄金」では発病率が高く潜伏期間も短い(図1)。                                                              

[成果の活用面・留意点]

  1. 罹病個体の混入が予想される場合は、苗同士の根の接触の少ない育苗(セル形成苗など)とする。

 [その他]
 
研究課題名:キク特異萎縮化症の緊急防除対策
予算区分:県単
研究期間:平成4~8年
研究担当者:松本由利子、十川和士、大矢啓三、山下泰生、柴田英明
発表論文等:園芸学会中四国支部平成9年度大会
 
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