ナバナの新品種「瀬戸の春」

[要約]
 
「瀬戸の春」は、早生品種で県下の年内どり栽培に適した良食味ナバナである。在来種と作型を組み合わせることで、長期出荷が可能となる。
香川県農業試験場・三木分場
[連絡先]087-898-0004
[部会名]野菜・花き・茶
[専門]育種
[対象]花菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

本県で栽培されているナバナには、大きく分類すると洋種ナタネに属する「春一番」と、和種ナタネに属する「伏見寒咲系菜花」の2種類がある。
そのうち、本県独自の品種である「春一番」は、食味は良いが晩生で収穫時期が遅いことから、早生化が望まれていた。
そこで、「春一番」の改良により新品種を育成することにした。

[成果の内容・特徴]
  1. 育成の経過
    平成2年に「春一番」と「伏見寒咲系菜花」の交配を行い、早生で花蕾が大きく、形状が「春一番」に似ている個体の選抜を重ね、固定化を図った。平成8年の栽培試験、特性調査により、育種目標に近い有望な系統と認められたので、平成9年に「瀬戸の春」の名称で品種登録出願した。
  2. 特性
    1)草姿は中型で、草丈は「春一番」と同程度であるが、収穫始めまでの葉数は少ない(表1)。
    2)葉の形は短楕円、長さは中で、「春一番」に似ている。
    3)穫始めは、早生の伏見寒咲系菜花よりやや遅いが、在来種の「春一番」より約1カ月早い(表2表3)。
    4)収量は、「春一番」よりやや少ない(表3)。
    5)食味は、歯切れ良く、甘みが強く、苦みは無い(表4)。                                                

[成果の活用面・留意点]

  1. 在来種の「春一番」より早生であることから、作型を組み合わせることにより長期出荷が可能になり、経営上有利である。
  2. 播種期が遅れると収量が低下するので、適期播種に努める。
  3. 根こぶ病には抵抗性がないので、連作や発生地での栽培は避ける。

 [その他]
 
研究課題名:特産野菜の品種育成と適応性試験
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成2年~平成9年)
研究担当者:加藤伊知郎、片本 格、松木保雄、
発表論文等:なし
 
目次へ戻る