トマトセル育苗中の高濃度液肥処理による果実の品質向上

[要約]
 
トマトセル育苗で、双葉展開時から定植時(本葉約4枚)まで、EC1~4(mS/㎝)の液肥を灌水代わりに施用することで、生育の安定と収量・品質の向上が図れる。
愛媛県農業試験場・久万試験地
[連絡先]0892-21-0011
[部会名]野菜・花き・茶
[専門]栽培
[対象]果菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

トマトのセル苗を直接木圃に定植することにより、鉢上げや育苗管理が省略でき、定植時の作業負担も軽減されるが、草勢が強く過繁茂となり、異常茎の発生や果実品質の低下が問題となる。
そこで、セルトレイでの育苗期間中に高濃度の液肥を灌水代わりに施用することにより、生育の安定と品質の向上を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 136穴セルトレイに播種後、双葉展開時までは通常の灌水とし、以後EC1~4(mS/㎝)の液肥(大塚OK-F-9)を1日1~2回灌水代わりに施用することにより、苗のN濃度が高くなり、生育が促進される(表1)。
  2. EC1~4(mS/㎝)の液肥処理により、1段花房着花節の低下が見られ、開花が早まり初期収量が増加する(表1表2)。
  3. 異常茎の発生が少なく生育が安定し、収量や果実の秀品割合が向上する(表1表2)。
  4. 4月下旬播種では育苗目数は21目程度が良く、育苗日数を延長した28日苗では開花の遅れや収量の低下が見られる(表3)。         

[成果の活用面・留意点]

  1. セル苗の直接定植では、排水が良く水分制御のしやすい圃場を選定する。生育初期の養水分過剰は過繁茂や異常生育の原因となる。
  2. 栽培は「野沢菜」に準じる。
  3. 根こぶ病には抵抗性がないので、連作や発生地での栽培は避ける。
  4. 育苗条件によっては、処理により濃度障害が発生することがあるので、液肥の濃度および処理方法は、育苗時期や気象条件により加減する。

 [その他]
 
研究課題名:冷涼な気候を利用した雨よけトマト・ソラマメの省カ栽培技術の開発
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成9年度(平成6年~平成9年)
研究担当者:角田和利、中地敏文
発表論文等:なし
 
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