なす新系統「高育交1号」の育成

[要約]
 
「高育交1号」は葯培養由来系統を花粉親とするアメリカオオナスF1系統である。果形が卵形で安定し、果皮の光沢が強く、果実品質は高い。早生で、葉がやや小型であり、促成栽培に適する。
高知県農業技術センター・作物園芸部・育種バイオテクノロジー科
[連絡先]0888-63-4916
[部会名]野菜・生物工学
[専門]育種
[対象]葉茎菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

促成栽培に適するアメリカオオナスの品種は極めて少ないため、生産者にとって品種選択の余地はほとんどない状態である。しかも、現在の普及品種については厳寒期に果形が長くなり、果実品質の低下が問題となっている。そこで、果形の安定した市場性の高い果実品質をもつ収量性の高い品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
  1. 育成の経過
     「高育交1号」は市販品種「くろわし」の自殖後代を種子親に、オランダのアメリカオオナスF1系統「AUB132」の葯培養由来個体から選抜された系統を花粉親にして作出されたF1系統である。本系統は早生性で、小型の葉をもち、促成栽培適正が高く、収量品質面からも実用品種として有望である(図1)。
  2. 特性の概要
    ① 果形は果頂部の丸い卵形で、厳寒期にも安定する。果皮の光沢は極良で、標準品種「くろわし」より強い光沢をもつ。果皮色は黒紫であるが、厳寒期にやや赤味が強くなる。果皮の硬さはやや硬い。標準品種に比べて、ヘたの大きさはやや小さく、果梗はやや細い。収穫初期の果実には条溝が入りやすい。このため、秀品率は標準品種と同等かやや劣る(表1)。
    ② 草姿はやや開張性で、葉は標準品種より小さく、分技性がよい。草勢は標準品種よりやや弱い(表2)。
    ③ 開花始めは標準品種と同程度で、やや早生である(表2)。
    ④ 促成栽培における収量は標準品種と同等である(表2)。                                                

[成果の活用面・留意点]

  1. 促成栽培に適する。栽培にあたっては、草勢が低下すると条溝果が発生しやすくなるので、若苗定植を行い、肥培管理に留意する。
  2. 種子の供給は当面、県内に限られる。

 [その他]
 
研究課題名:米ナスの品種改良
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成元年~8年)
研究担当者:猪野亜矢、松本満夫、岡田昌久
発表論文等:①米ナスの品種改良における葯培養の利用 園学雑、61(別1)812
        ②1993年 米ナス葯培養による植物体誘導 高知県農技セ報告2号
        ③1998年 高知県農技セ報告8号
 
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