市販される資材用具を利用した簡易な絹糸作出手法

[要約]
 
釣り糸リールによる繰糸扇風機による撚糸など、身近な市販される資材用具を利用して、繭を原料に絹糸を簡易に作出する方法を考案した。
徳島県蚕業技術センター・資源応用科
[連絡先]0883-24-2217
[部会名]加工利用
[専門]生糸
[対象]葉茎菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

農山村女性グルーブや手芸愛好家、体験型学習の教材として蚕繭を利用する小学生などが、繭を原料に絹糸を作ろうとした場合、そこでは高度な設備や技術が不可欠であろうとする思いこみが根強く存在する。また同時に、座繰り機などの道具類も、現在では殆どその姿を見かけることはない。
そこで、市販される身近な資材用具を用いながら、誰でもが簡単に絹糸を作出できる手法について検討しマニュアル化を行い、蚕繭活用のすそ野拡大を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. この手法(図1)で用いる器具類は、簡単に手に入る資材用具であり、その操作も簡易である。
  2. スピニングタイプの釣り糸リールで繭糸を繰る。スプールに巻き取る糸量に限界はあるが、構造的には別段問題がなく簡便である。
  3. スピニングタイプの釣り糸リールで繭糸を繰る。スプールに巻き取る糸量に限界はあるが、構造的には別段問題がなく簡便である。
  4. 糸の撚り合わせに扇風機の回転を利用する(図2)。扇風機の回転は一定でも、糸の巻き取る速さによって撚りの強さが調整できる。撚り合わさった糸は、調理用蒸し器で15分間蒸して撚り止めする。
  5. 約2時間の作業時間で15gの絹糸が作出できる(表1)。                                                  

[成果の活用面・留意点]

  1. 作出した絹糸は、オリジナル・シルクとして卓上型機織り機での織物や刺繍などに用いることができる。また、さらに3本ほど撚り合わし太い糸とすれば、レース編み用糸として利用できる。
  2. 農山村女性グループや手芸愛好者、小学生などを対象とする蚕繭活用者層の拡大が図られ、地域特産品の新たな素材を提供することができる。
  3. 本来の扇風機の使い方でないため、取扱には十分な注意が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:蚕繭需要需要拡大に関する簡易化技術
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成8年度~)
研究担当者:竹内秀人、井川明美
発表論文等:第63回日本蚕糸学会関西支部講演要旨集、1997
 
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