セル成型容器を用いた桑の簡易育苗と機械移植

[要約]
セル成型容器を用いた桑の育苗は、発根率、活着率が良好で、高密度に育苗でき、省力的な本圃への機械移植も可能となる。
愛媛県農業試験場蚕業支場・研究指導室・栽桑分析班 
[連絡先]0893-25-3039 
[部会名]蚕糸
[専門]栽培 
[対象]工芸作物・桑
[分類]指導

[背景・ねらい]

従来の新梢挿し木法は、5月に育苗圃場に新梢の穂木を直接挿し木をし、翌春に成苗を 植え付けるが、ここでは、優良桑品種の苗を大量で安定的にしかも省力的に自給するため、晩秋蚕期の残桑である春切桑園中伐後の再発枝が利用できる9月中旬にセル成型容器を用いて挿し木をし、更に、翌春この稚苗を機械で本圃に移植する方法について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 72穴のセル成型容器を利用した一芽の挿し木は、従来の育苗法と比較して約10倍の密度で育苗が可能で、発根率、活着率も良好である(表1表2)。
  2. 桑株からの穂木採取量は、一芽穂木が二芽と比較して約1.5倍である(表2)。
  3. セル成型容器底穴からの苗根のはみ出し防止は、水稲育苗用の根切りシートが有効である(表3)。
  4. 機械移植と人カ移植の能率の比較は、約1.5倍である(表4)。
  5. 移植時の元肥量は、標準量(成園年間施肥量の30%)の半分でよい(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 稚苗の本圃への移植は、黒色マルチ後、野菜移植機を用いて2~3月に行う。
  2. 移植直後のセル苗は、従来の苗と比較して小さいので、ナメクジ等の被害が予想される場合は、徹底した防除を行う。
  3. 株定めは、苗を移植した年の翌春に行うが、移植後は地上部の伸長が著しく、倒伏しやすいので、台風等の襲来の前に中間伐採を行う。

 [その他]
 
研究課題名:セル成型桑稚苗の簡易育苗と機械植付技術
予算区分:県単
研究期間:平成7~9年度
研究担当者:清水 篤、中川建也、高山幹郎
発表論文等:日蚕関西講要,63,22(1997)
 
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