天蚕微粒子病の集団蛾検査法

[要約]
 
10蛾単位の集団蛾検査法は、天蚕微粒子病防除のための母蛾検査に適用できる。この方法は、特殊な専用機器を必要とせずに検査が可能であり、従来の個体蛾検査に比べ作業能率の大幅な向上が図られる。
愛媛県農業試験場蚕業支場・研究指導室・病理バイテク班
[連絡先]0893-25-3039
[部会名]蚕糸
[専門]作物病害
[対象]昆虫類
[分類]指導

[背景・ねらい]

天蚕の微粒子病は、家蚕の微粒子病と同様に経卵伝染することから、その防除のために蚕種製造においては微粒子病感染の蚕種を除去するため、従来個体別の母蛾検査が行われてきた。一方、家蚕の場合は集団蛾検査が一般化されており、天蚕についても集団検査の実用化が望まれていた。そこで、家蚕微粒子病の集団蛾検査法を改良し、特殊な機器を必要としない天蚕微粒子病の集団検査法を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 50ml容量の遠沈管の使用を前提に母蛾感染程度と検査単位蛾数及び検出胞子数の関係から、実用的な検出精度を得るには、10蛾単位の集団検査が適当と判断できる(図12)。
  2. 検査に使用する機器は、特殊な専用機器を使用せず、母蛾の摩砕には家庭用のジューサーミキサーを使用し、遠沈管および遠心機は、汎用性のある50ml容量を使用する(表1)。
  3. 集団蛾検査は個体蛾検査に比べ、櫨過、遠心沈殿作業が加わるものの、摩砕作業および検鏡作業が、大幅に軽減され、全作業時間が約半分に削減される(表1)。                                                                       

[成果の活用面・留意点]

  1. 天蚕の母蛾検査に集団蛾検査法を導入することにより、検査精度を維持し作業能率が大幅に向上する。また、導入に特殊な機器を必要としない。
  2. 集団蛾検査の場合、1蛾の病蛾が含まれていると残りの9蛾も病蛾と判断されるが、母蛾の頭胸部を残しておき、再度、頭胸部による個体蛾検査を実施することにより、卵の損失を最小限にすることができる。
  3. 遠心機がない場合、櫨液の入った遠心管を24時間静置し、自然沈降させてもよい。

 [その他]
 
研究課題名:天蚕病虫害防除試験
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成6~9年)
研究担当者:密田和彦、被谷俊宏
発表論文等:なし
 
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