ハラグロオオテントウの雄蜂児粉末を用いた屋内飼育

[要約]
 
クワキジラミの捕食性天敵であるハラグロオオテントウは、雄蜂児粉末を用いた屋内飼育が可能である。得られる成虫体重は軽めである。
愛媛県農業試験場蚕業支場・研究指導室・病理バイテク班
[連絡先]0893-25-3039
[部会名]蚕糸
[専門]作物虫害
[対象]工芸作物・桑
[分類]研究

[背景・ねらい]

クワキジラミは、春期に中山間地桑園で多発する主要な小型害虫として知られており、近年多発傾向にある。しかし、防除適期が蚕の飼育時期と重なり、農薬による防除が困難なため、農薬に頼らない防除技術として、捕食性昆虫の利用を検討している。そこで、西日本で特異的に生息するハラグロオオテントウがクワキジラミの天敵として重要な位置を占めていることに着目し、冷凍キジラミ、雄蜂児粉末などによるハラグロオオテントウの屋内飼育を試みた。

[成果の内容・特徴]
  1. 幼虫・成虫の摂食性は、冷凍キジラミおよび雄蜂児粉末で良好である。
    産卵数は、雄蜂児粉末を餌とした場合のほうが冷凍キジラミを餌とした場合より多い(表1)。
  2. 幼虫を個別飼育した場合の生存率は、雄蜂児粉末飼育と冷凍キジラミ飼育で差が無い。また、集団飼育すると共食いが激しく、個別飼育に比べ生存率が著しく劣る(表2)。
  3. 幼虫を屋内飼育し成虫になった個体は、野外から採取した成虫と比較して小さくなる(図1)。                                                                      

[成果の活用面・留意点]

  1. 県下の秋まき、露地栽培に適する。
  2. 栽培は「野沢菜」に準じる。
  3. 今後は、幼虫を集団飼育した場合の生存率を上げるため、飼育容器の改良などを行う必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:天敵による桑害虫(クワキジラミ)の防除技術の確立試験
予算区分:県単
研究期間:平成7~9年度
研究担当者:板谷俊宏・密田和彦
発表論文等:日蚕関西講要,63:30(1997)
 
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