宗田節煮汁からの液体調味料の開発

[要約]
 
宗田節加工場より排出される煮汁を濃縮後プロテアーゼ処理及び活性炭処理することにより、市販鰹節煮出し液に比較し、遊離アミノ酸を5~10倍、イノシン酸を約2倍含む液体調味料を製造できる。
高知県工業技術センター・技術第2部
[連絡先]0888-46-1111
[部会名]食品
[専門]食品品質
[対象]
[分類]研究

[背景・ねらい]

高知県土佐清水市には宗田節加工場が23軒あり、全国の7~8割を占める宗田節が生産されている。宗田節を加工する際、まず原料魚の煮熟が行われているが、煮熟処理は魚臭などの嫌味成分、脂質及び水溶性タンパク質を除去する一方、遊離アミノ酸並びにイノシン酸の旨味成分も流出させると考えられる。また、排出される煮汁の総量は年間約7,000ton以上に及ぶことが推察されているが、現在のところ排出煮汁は全て廃棄されている。そこで、環境汚染の防止と有効利用をかねて宗田節加工場より排出される煮汁の調味料化につて検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 原料である宗田節煮汁の遊離アミノ酸組成は筋肉抽出液の組成とは異なっており、筋肉を含めた種々の部位から溶出していることが推察される。
  2. 市販プロテアーゼによって煮汁を処理しても、エキス窒素(Ex-N)はわずかしか増加しない(表1)が、冷却時にゼラチンのゲル化を防止するために必要な工程である。
  3. 煮汁を普通酒用活性炭で処理することで魚臭及び苦味を低減できる(表2)。また、普通酒用活性炭処理によって除去される窒素成分は主にタンパク態窒素(P-N)であり、工キス窒素(Ex-N)はほとんど変化しない(図1)。
  4. 試作調味料(Brix9.4)は市販鰹節の煮出し液に比べ、グルタミン酸では3.5~100倍、イノシン酸では約2倍含量が高い(表3)。          

[成果の活用面・留意点]

  1. 活性炭処理後も試作調味料には魚臭及び苦みが残存しており、今後、一層の除去方法の検討が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:水産廃棄物の高度利用に関する研究
予算区分:県単
研究期間:平成9年度(平成8年度)
研究担当者:北村有里、野村 明、久武陸夫
発表論文等:なし
 
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