アーチ型傾斜ハウスの換気による温度特性
[要約]
傾斜方向に設置したアーチ型
傾斜ハウス
内の温度は,側窓または妻面の開放による
換気
で,速やかに外気温近くまで低下する。斜面方向の
温度勾配
は,側窓開放の方が緩和されやすい。
四国農業試験場・総合研究部・総合研究第2チーム [連絡先]0877-62-0800 [部会名]傾斜地農業 [専門]栽培管理 [対象]果菜類 [分類]研究
[背景・ねらい]
四国農試では,中山間傾斜地域における施設園芸の生産性向上のため,傾斜地ハウスの開発による施設の高度化に取り組んでいる。傾斜圃場に設置した傾斜ハウスでは,平坦地のハウスと比較して通気性に優れているが,生育に好適な環境調節技術は確立されていない。そこで,傾斜ハウスにおける温度調節技術を確立するため,傾斜方向に設置したアーチ型傾斜ハウスを用いて,換気による傾斜ハウス内の温度特性を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
平坦地のハウスでは長辺方向への温度勾配は生じないが(図省略),単棟のアーチ型傾斜ハウスでは換気が不良の場合,温度は斜面下方から上方へ向かって高くなる(
図1
,
図2-a
)。
アーチ型傾斜ハウスは,側窓または妻面を開放することにより換気され,速やかに外気温近くまで低下する。換気に要する時間は妻面開放より側窓開放の方が早い(
図1
)。
側窓開放による換気では,温度はほぼ均一に低下し,斜面方向の温度勾配が緩和される(
図2-b
)。
妻面開放による換気では,側窓開放による換気と比較すると斜面方向の温度勾配が大きい(
図2-c
)。
[成果の活用面・留意点]
本試験で用いた傾斜ハウスは,北面した傾斜度約10゚の圃場に設置した長さ30m,間口6.0m,軒高3.7mの単棟アーチ型のビニルハウスである。
側窓開放は地上50cmで幅1m,長さ27mの巻き上げ式開放,妻面開放は幅2.0m,高さ1.8mの両開き式扉の全面開放による換気法である。
本試験は,夏秋トマトを栽培し,畦面を白色不織布でマルチして行った。
本試験は,すべて晴天日の日中に無風条件下で行った。
本成果は傾斜地ハウスによる高付加価値農産物の生産技術の体系化で活用する.
[その他]
研究課題名 : 低投入型野菜・花きの栽培技術の導入
予算区分 : 実用化促進(地域総合)
研究期間 : 平成10年度(平成9~11年)
研究担当者 : 川嶋浩樹,野中瑞生,長崎裕司,吉川省子
発表論文等 : 第25回国際園芸学会発表,1998年8月
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