雨よけ米ナス栽培での作期拡大による増収化
- [要約]
- 二重被覆ハウス内に簡易開閉装置によるトンネル被覆を行うことで、米ナスの早期定植が可能となり、収穫が早まり増収が図られる。
高知県農業技術センター山間試験場
[連絡先] 0887-72-0058
[部会名] 傾斜地農業
[専門] 栽培
[対象] 果菜類
[分類] 普及
- [背景・ねらい]
- 中山間地域の主要品目である米ナスの雨よけ栽培では、定植を遅霜の恐れがなくなる4月下旬から5月上旬に行い、霜が降りる11月まで収穫している。その期間は約6カ月と短く、栽培中には台風などの影響を受けやすいことから、収量は平坦部より少なく経営が安定しない。そこで、トンネルを利用して定植時期を早進化させ、作期拡大による増収化について検討する。
- [成果の内容と特徴]
- 二重被覆ハウス内をさらにポリフィルムトンネルで被覆すれば、保温性が向上し(約2℃)、寒害の恐れがなくなる3月中旬の定植が可能となる(図1)。
- トンネル被覆では6月までの初期収量が高くなり、総収量と販売金額が約20%の増加する(表1、2)。
- トンネルの開閉労力を軽減するため、簡易トンネル開閉装置を考案した(図2)。
(1)ハウスの梁(2m)ごとに滑車を固定する(図2-①)。
(2)トンネルと同じ長さのロープを滑車上に引き、これに梁ごとに地面までの長さのロープを結びつける(図2-②)。
(3)パイプを切断して作製した重りを、トンネルの裾といっしょにパッカーで固定し、ロープと結ぶ(図2-③)。
(4)ロープの端を引っぱればトンネルの片側のフイルムが開く(図2-A)。
(5)簡易トンネル開閉装置の設置にかかる年負担額は、10a当たり約6万円である(表3)。
- [成果の活用面・留意点]
- この試験結果は標高400m地点のものであり、定植時期は圃場の標高や日照条件などを考慮して決定する。
- 葉焼けや肥料によるガス障害を起こさないよう、トンネル換気には特に注意する。
- [その他]
- 研究課題名:環境制御による施設野菜の高品質生産技術の開発
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成10年度(平成6~10年度)
研究担当者:渡辺晃充、山下俊二
発表論文等:なし
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