水稲の駆動型ローラ転圧直播機
- [要約]
- 本機は、逆台形状に作溝した播種溝に播種した酸素供給剤被覆種子を駆動型ローラで0~5㎜の深さに転圧する潤土表面点播に使用する直播機である。本機は既販機より広い範囲の田面硬度に適応し、耐倒伏性が向上する。
香川県農業試験場・農業機械担当
[連絡先] 087-889-1121
[部会名] 作業技術
[専門] 機械
[対象] 水稲
[分類] 指導
- [背景・ねらい]
- 水稲の湛水直播法には酸素供給剤で被覆した種子を代かき土壌中に播種する湛水土壌中直播法があり、専用の直播機も販売されている。しかし、田面硬度や土壌の種類によっては苗立不良が生じることがある。また、収穫期には株深が浅いため、倒伏しやすい性状になっている。このため、逆台形状の播種溝に播種した種子をさらに駆動型ローラで転圧する直播機とその利用法を開発する。
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- [成果の内容・特徴]
- 本機は、代かき後ほ場において、酸素供給剤被覆種子を、深さ3.5㎝の逆台形状の播種溝に播種し、さらに駆動型ローラで種子を転圧する潤土表面点播に使用する直播機である(図1)。
- 本機は、乗用型湛水土壌中直播機の播種部を改造利用したもので、既販機の播種部に、新たに60Wの直流モータで駆動する直径200㎜の駆動型ローラを備えたものである(図1)。
- 駆動型ローラの播種溝底部への転圧幅(12㎜)は作溝底幅より狭くしており、直播機の作業速度の2倍程度の周速度で正転している。これにより、水田の余剰水を作溝前方に押すことがなく、ローラに±が付着し難い(図2)。
- 転圧深は田面硬度に応じて運転席での操作により調整することができる。この調整により転圧深は播種溝底部より0~5㎜とする(図2、3)。
- 本機による播種時の適正田面硬度の範囲は湛水土壌中直播機よりも広く、必要笛立数を確保しやすい。また、収穫期には播種溝が埋まり稲の株深が深くなるため、耐倒伏性が向上する(図3、4)。
- [成果の活用面・留意点]
- 本機を利用した直播に適する田面硬度は10~40kPa(ゴルフボール1m落下露出高;15~30㎜、40kPaを超えると轍が残り作業性が劣る)であり、湛水土壌中直播の10kPa程度に比べてやや固めとし、播種溝が播種直後に潰れないことが重要である。
- 上記の適正田面硬度を得るためには、土壌の種類・天候にもよるが、代かき後に1~3日間落水すると良い。
- 播種後の水管理は浅水管理とするが、ほ場の保氷性が良い場合は、浮き苗防止のため不完全葉抽出期に1~2日間の芽干しが必要である。
- 除草は、代かき後播種までの日数がやや長く雑草が発生しやすくなるので、初期処理剤と初中期一発処理剤を体系的に利用することが望ましい。
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- [その他]
- 研究課題名:水稲直播を基幹とした稲麦等大規模輪作技術
予算区分:地域基幹
研究期間:平成10年(平成6年~10年)
研究担当者:岡田彰夫、山浦浩二、西村融典
- 発表論文等: なし
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