水稲ヒノヒカリの玄米窒素含有率低減のための追肥法
- [要約]
- 水稲普通期栽培ヒノヒカリの玄米窒素含有率の低減を目的に施肥法の検討を行った結果、追肥を慣行の穂肥2回から出穂18日前の1回のみとすることにより、収量、千粒重および施肥窒素利用率は慣行施肥法とほぼ同等で、玄米の窒素含有率を低下させることができ、食味向上が期待できる。
香川県農業試験場・生産環境部門・土壌肥料担当
[連絡先] 087-889-1121
[部会名] 生産環境(土壌肥料)
[専門] 肥料
[対象] 稲類
[分類] 研究
- [背景・ねらい]
- 一般に食味計等で食味値を計測した場合、玄米の窒素含有率を低くすると食味値が高く計測されることが知られている。そこで近年、香川県内で栽培面積が拡大している普通期栽培水稲品種「ヒノヒカリ」について、食味の指標である「玄米の窒素含有率」低減を目的に、速効性肥料の施肥時期・量の検討を行う。
- [成果の内容・特徴]
- 慣行の出穂前10日に代えて出穂後4日に施肥を行うと(②実肥区)、玄米収量、千粒重および穂数は慣行区とほぼ同程度となるが、玄米の窒素含有率が高くなる(表2、3、図1)。
- 1回目の穂肥の時期を慣行の出穂前18日より7日早くして出穂前25日とすると(③追肥I区)、収穫期の穂数は多くなるが、千粒重が劣る(表2、3、図1)。
- 2回目の穂肥(出穂前10日)を無施用とすると(④追肥Ⅱ区)玄米の窒素含有率を低下することができ、玄米収量・千粒重は慣行区とほぼ同程度で、施肥窒素利用率は慣行区とほぼ同等か高くなる(表2、3、図1)。
- 基肥量を慣行の5kgから3kgへ減肥して、出穂前45日に2kg追肥し、穂肥は出穂前18日の1回のみとした場合(⑤追肥Ⅲ区)、玄米の窒素含有率を低下することができ、玄米収量、千粒重および施肥窒素利用率は慣行区とほぼ同等となる(表2、3、図1)。
- 基肥量を慣行の5kgから3kgへ減肥して、穂肥を出穂前18日の1回のみとした場合(⑥追肥Ⅳ区)、玄米の窒素含有率を低下することができ、玄米収量、千粒重および施肥窒素利用率は慣行区とほぼ同等となる(表2、3、図1)。
以上より、追肥を慣行の穂肥2回から出穂18日前の1回のみとすることで、収量、千粒重および施肥窒素利用率は慣行施肥法とほぼ同等で、玄米の窒素含有率を低下することができる。
表1 試験区の構成
- [成果の活用面・留意点]
- この成果は、普通期(6月上中旬植)のヒノヒカリ、灰色低地土の水田を対象とする。
- [その他]
- 研究課題名:水稲の品質向上施肥法試験
予算区分:県単
研究期間:平成10年度(平成8年~10年)
研究担当者:松野宏治
- 発表論文等:なし
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