小ネギ栽培における少副塩肥料を用いた塩類集積の回避


[要約]
従来からの土壌診断による施肥窒素の低減とともに、少副塩系肥料の使用により除塩を必要としない持続型施肥が可能となり、小ネギの省力安定生産が期待でき、環境負荷の低減にもつながる。

高知県農業技術センター・生産環境部・土壌肥料科
[連絡先] 0888-63-4915   
[部会名] 生産環境(土壌肥料)
[専門] 肥料
[対象] ねぎ
[分類] 指導


[背景・ねらい]
小ネギは施設において周年栽培されるため、施肥養分や副成分が過剰集積しやすいが、現状ではほとんど除塩はされておらず、塩基バランスの悪化や施肥養分の集積が問題となっている。また、湛水除塩を行った場合には、地下水汚染の問題が懸念される。そこで、少副塩肥料を用いた施肥管理による塩類集積の少ない持続型施肥技術の確立を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 硫酸含有量の多い硫安や硫酸加里を施用すると土壌中の硫酸根を増加させ、ECの上昇を招くが、硫酸含有量の少ないノンストレス肥料やぼかし肥料などの少副塩系肥料を施用すると、有機配合と比較して施肥中の硫酸量を6~20%に抑えることができる。このため、右こうを施用して160mg/100g程度硫酸根を集積させた条件では、徐々にではあるが硫酸根の減少傾向が認められ、硫酸根集積の回避に有効である(表1図1)。
  2. 少副塩系肥料を使用することにより、硫酸根の集積の少ない条件では、有機配合と同等かそれ以上の収量が得られ、石こうを施用して160mg/100g程度硫酸根を集積させた条件においては、有機配合と比べ増収する(表1)。
    また、少副塩系肥料の中では、有機質肥料を原料としたぼかし肥科の増収効果が高い(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 硫酸根集積下で追肥を行う場合も少副塩系肥料を使用し、硫安は使用しない。
  2. 基肥は残存窒素量を差し引いて施用量を決定する。このときECだけで残存窒素量を判断せず、窒素の定量を行う。

[その他]
研究課題名:施設栽培における低投入施肥技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成10年度(平成7~9年度)
研究担当者:松岡俊二
発表論文等:なし
 
目次に戻る