「キヌヒカリ」の心白粒発生要因とその対策
- [要約]
- 「キヌヒカリ」の品質低下要因のひとつである心白粒の発生を抑えるためには、千粒重が過度に大きくならないようにする必要があり、そのためには㎡当たり籾数を28,000粒程度確保することと遅い穂肥を施用しないことが有効である。
徳島県立農業試験場・作物科
[連絡先] 0886-74-1660
[部会名] 水田・畑作
[専門] 栽培
[対象] 稲類
[分類] 指導
- [背景・ねらい]
- 「キヌヒカリ」は平成5年度に奨励品種に採用して以来、良食味で栽培しやすいことから作付面積を順調に伸ばしているが、外観品質が劣ることにより1等比率が毎年60%前後と低い。そこで、外観晶質に及ぼす施肥条件の影響を検討し、キヌヒカリの品質向上を目指す。
[成果の内容・特徴]
- 場内で施肥条件を変えて栽培したサンプルの2等格付け理由は全て心白粒の発生によるもので、年次によって異なるが心白粒割合5%前後が1等と2等の境界域となる(図1)。
- 心白粒の発生は、千粒重が大きくなるほど多くなる(図2)。
- また、1㎡当たり籾数が28,000粒よりも少ないときに遅い穂肥(出穂前17~10日)を施用すると心白粒の発生が多くなる(図3)。そして、このことは穂肥に緩効性肥料を使用した場合に顕著である(図4)。
- 以上のことから、「キヌヒカリ」の心白粒の発生を抑制するためには、千粒重があまり大きくならないように管理する必要がある。そして、そのためには本田初中期の肥効を維持して㎡当たり籾数を28,000粒程度確保することと、粒大の増加につながる遅い穂肥を施用しないことが有効である。
[成果の活用面・留意点]
- 普通期栽培のキヌヒカリで、等級低下の主因が心白粒の場合に適用できる。
- 初中期の肥効が過剰になると、心白粒以外の未熟粒や倒伏による発芽粒・胴割粒の発生につながるので、注意が必要である。
[その他]
- 研究課題名:キヌヒカリの品質向上に関する試験
予算区分:県単
研究期間:平成10年度(平成9~10年度)
研究担当者:薮内和男,豊成 傑
- 発表論文等:なし
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