温州みかん高畝栽培「大津四号」の夏季せん定による安定生産技術


[要約]
高畝栽培の「大津四号」若齢樹において、7月20日頃に樹冠容積1m3当たり15枝程度の2年生枝を対象に、夏季せん定を行うと、せん定部位から夏枝が多数発生し、良好な結果母枝となる。この結果、処理翌年の果実品質は向上し、収童が増加するため、高品質果実の安定生産技術として有効である。

香川県農業試験場府中分場・栽培担当
[連絡先] 0877-48-0731   
[部会名] 果樹
[専門] 栽培
[対象] 果樹類
[分類] 指導


[背景・ねらい]
温州みかんの高畝栽培では、「大津四号」を始めとした高糖系温州の導入が進められている。しかし、高畝栽培された「大津四号」の若齢樹は、隔年結果が著しく、早期枝別部分全摘果を実施してもその効果が不安定になりやすい。そこで、枝別交互結実のための夏季せん定の適期について検討を行い、高品質果実の連年安定生産が可能な生産体系を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 高畝栽培の「大津四号」若齢樹において、7月20日から8月20日までに、樹冠容積1m3当たり15枝程度の2年生枝に予備枝せん定を実施すると、処理枝には100節当たり20~30本程度の夏枝が発生する。いずれのせん定時期でも、夏枝は、長さ7~10cm程度、葉数7枚程度に伸長するが、8月10日以降にせん定したものは完全に緑化完了しない(表1)。
  2. 夏季せん定により発生した夏枝の着花数は、7月20日のせん定区で最も増加する(表2)。
  3. 発生した夏枝に翌年着果した果実の品質は、7月20日のせん定区で、果実比重が向上し、浮皮の発生が少なくなる。着色程度、糖度計示度及びクエン酸濃度への影響は、処理年及び翌年とも特に認められない(表3)。
  4. 夏季せん定翌年の収量は、7月20日及び8月1日のせん定区で無処理区よりも多くなるが、8月10日以降のせん定区では減少する。処理後2年間の累積収量では、7月20日区が最も多くなる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 高畝栽培の「大津四号」等の強樹勢系統若齢樹において適用が可能であると考えられる。
  2. 夏枝の生育及び翌年の着花程度は、気象条件、環境条件等により多少変動すると思われる。
  3. せん定後、夏枝が緑化完了するまでの期間、ミカンハモグリガ及びアブラムシ類の適期防除に留意する。

[その他]
研究課題名:完熟カンキツの安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成10年度(平成4~12年)
研究担当者:坂下 亨、森末文徳
発表論文等:なし

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