かき「富有」の台風被害(早期落葉)樹における果実品質安定技術
- [要約]
- 7月下旬に台風被害を受けた「富有」の補正摘果は、落葉率30~50%で着果数の25%、落葉率60%以上で50%程度行うことにより、果実品質が安定する。
また、剪定の程度は、落葉率が50%までは剪定率60%、落葉率が60%以上では80%と強めに行うことにより、翌年の果実品質が安定する。
香川県農業試験場府中分場・栽培担当
[連絡先] 0877-48-0731
[部会名] 果樹
[専門] 栽培
[対象] 果樹類
[分類] 指導
- [背景・ねらい]
- かき「富有」の7月下旬の台風被害樹における果実品質の安定を図るために、落葉程度別の補正摘果程度及び剪定強度について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 早期落葉樹の補正摘果は、果実の肥大効果を促進する。しかし、落葉率の大きい樹体は、小さい樹体に比べて肥大が小さく、果実の軟化も早い。また、収穫が前進することから、糖度も低くなる(表1)。
- 落葉率が20%以下で補正摘果を行わない区を通常の果実生産と仮定した場合、7月下旬に台風被害を受けた「富有」の補正摘果は、落葉率が30~50%で着果数の25%、落葉率が60%以上で50%程度行う必要がある(表1)。
- 落葉程度が大きくなるほど、翌年の着花数は少なくなるが、剪定強度による影響は認められない(表2)。
- 落葉程度が同一の場合は、剪定を強くすると着果が早期に制限されるため、果実の肥大が促進されヘタスキ果が増加する。しかし、落葉率の大きい樹体は小さい樹体に比べて、その肥大効果が小さい(表2)。
- 落葉率が20%以下で剪定強度60%の区を通常の管理による果実生産と仮定した場合、落葉率が50%までは剪定強度60%、落葉率が60%以上では80%と強めに行うことにより、同レベルの果実生産が図られる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 被害樹の樹勢や品種、被害後の気象条件等について考慮する必要がある。
- 慣行の管理作業は徹底して行う。
[その他]
- 研究課題名:落葉果樹高品質果実生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成10年度(平成4年~12年)
研究担当者:片桐孝樹、丸尾勇治郎、村尾昭二
- 発表論文等:なし
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